2020年4月4日(土)勉強会
「障害者手帳と障害受容」
〜障害者手帳は取得する?しない?~
1.障害者手帳とは?
https://snabi.jp/article/1
(リタリコ仕事ナビより)
1)障害のある人が取得できる
手帳の総称
2)手帳の取得は任意
3)「障害等級」という区分が
ある
① 生活の支障程度や症状に
応じて区分が決まる
② 障害福祉サービスを利用
する際に取得する「受給者
証」の区分とは別物である
4)手帳の制度が出来た時期、
制度を定めている法律は
それぞれ異なる
5)手帳ごとに申請手続き、
窓口が異なる
2.障害者手帳の種類
1)身体障害者手帳
① 等級が1~7級まであり、
1級が重く、7級が軽く
なる
② 対象は身体に障害がある
方として
・視覚障害
・聴覚や平衡機能の障害
・音声機能、言語機能、
そしゃく機能の障害
・肢体不自由
・心臓やじん臓、呼吸器の
機能の障害
・ぼうこうや直腸の機能の
障害
・小腸の機能の障害
・ヒト免疫不全ウイルスに
よる免疫機能の障害
・肝臓の機能の障害
等の方が対象となる
③ 申請窓口は市区町村の
障害福祉課など
2)療育手帳
①法律で定められた制度では
なく都道府県・政令指定
都市が制定
②自治体によって制度名や
支援内容、取得の基準など
が異なる
③名称は療育手帳の他、
「愛の手帳」(東京都・
横浜市)、「愛護手帳」
(青森県・名古屋市)、
「みどりの手帳」
(さいたま市)
④判定の目安として
・おおむね18歳以前に知的
機能障害が認められ、
それが持続
・知的検査によって測定
された知能指数(IQ)が
75以下
・日常生活に支障が生じて
いるため、医療、福祉、
教育、職業面で特別の
援助を必要
⑤等級は最重度、重度、中度、
軽度や1度、2度、3度、4度
○A、A、B、Cと表し、自治
体によって表現が異なる
3)精神障害者保健福祉手帳
①取得対象要件としては、精神
疾患での初診から6ヶ月以上が
経っていること
②対象疾患は統合失調症、
うつ病、双極性障害などの
気分障害、てんかん、薬物や
アルコールによる急性中毒や
その依存症、高次脳機能障害、
発達障害
③知的障害と精神疾患の両方
ある場合は、療育手帳と両方
取得できる場合がある
④申請窓口は都内だと保健センター
や保健所
⑤2年毎に更新が必要で、症状が
軽くなったと判断された場合は
手帳非該当となることもある
3.障害者手帳を取得するメリット
1)障害者雇用で働きたい場合は
手帳の取得は不可欠
→企業は障害者雇用率のカウント
となるため
2)料金の割引や助成がある
①心身障害者医療費助成制度
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/iryo/josei/marusyo.html
(東京都福祉保健局HPより)
・身体障害者手帳1級・2級の方
(心臓・じん臓・呼吸器・
ぼうこう・直腸・小腸・
ヒト免疫不全ウイルスに
よる免疫・肝臓機能障害の
内部障害については3級も
含む
・愛の手帳1度・2度の方
・精神障害者保健福祉手帳1級の方
②心身障害者福祉手当(各自治体)
https://www.city.itabashi.tokyo.jp/kenko/shogai/teate/1003209.html
(板橋区HPより)
・支給月は、4月・8月・12月
・身体障害者手帳1,2級
愛の手帳1,2,3級 等
15,500円(1ヶ月)
身体障害者手帳3級
愛の手帳4度 等
7,750円(1ヶ月)
③特別障害者手当(国の制度)
https://www.city.itabashi.tokyo.jp/kenko/shogai/teate/1003211.html
(板橋区HPより)
・支給月は、2月・5月・8月・
11月
・重度の障がい20歳以上の方
身体障害者手帳1級・2級程度
愛の手帳1度・2度程度で
かつそれらの障害が重複して
いる方
もしくは上記と同等の疾病・
精神の障がい
・支給額は27,350円(1ヶ月)
④公共料金割引
・NHK受信料免除(全額、半額)
http://pid.nhk.or.jp/jushinryo/exemption_list.html
(NHK HPより)
→全ての障害で対象に
なるわけではない
⑤交通関係
・都営交通無料乗車券
→都営バス、都営地下鉄などが
無料になる
https://www.kotsu.metro.tokyo.jp/other/kanren/fare/free.html
(東京都交通局HPより)
https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/shougai/nichijo/jousyasyo.html
(東京都福祉保健局HPより
精神障害者保健福祉手帳)
・JR他各社
→各交通機関で、障害の種類、
1種2種、介助者ありなし、
距離で割引対象になるか変わる
JR:https://www.jreast.co.jp/equipment/waribiki/
東武鉄道:https://railway.tobu.co.jp/ticket/disability/
西武鉄道:https://www.seiburailway.jp/ticket/waribiki/index.html
東京メトロ:https://www.tokyometro.jp/ticket/guide/disability/index.html
・タクシー
→手帳の提示で料金の10%割引
https://shogaisha-techo.com/archives/4723/
(障害者手帳で行こうHPより)
https://www.city.shinjuku.lg.jp/fukushi/file06_04_00063.html
(新宿区HPより)
※手帳提示についてはこんなことも
https://www.soumu.go.jp/kanku/kanto/pdf/070905_1.pdf
(総務省資料より)
・高速道路
→身体障害で本人が運転か
同乗で重度障害かで対象かが
変わる
https://www.w-nexco.co.jp/etc/handicapped/guidance.html
(NEXCO西日本HPより)
⑥住宅
・都営住宅
→優遇抽選がある
https://www.juutakuseisaku.metro.tokyo.lg.jp/juutaku_keiei/261toei3.htm
(東京都住宅政策本部)
入居応募で障害者世帯向けがある
https://www.city.tokyo-nakano.lg.jp/dept/404500/d001908.html
(中野区HPより)
使用料減免がある
https://www.to-kousya.or.jp/nyukyosha/toei/s_siyougenmen.html
(東京都住宅供給公社HPより)
・区営住宅
→障害者世帯向け住宅、使用料
減免等、各区で異なる
https://www.city.shinjuku.lg.jp/seikatsu/file07_01_00001.html
https://www.city.shinjuku.lg.jp/content/000174432.pdf
(新宿区HPより)
https://www.city.edogawa.tokyo.jp/e017/kurashi/sumai/kotekijutaku/toei.html
(江戸川区HPより)
⑦施設
・公共施設
→美術館や博物館等、無料になる
・民間施設
→映画館や宿泊施設等、割引に
なるところがある
https://shogaisha-techo.com/archives/category/tokyo/
(障害者手帳で行こうHPより)
⑧自立支援医療(精神通院医療)
・手帳を持っていなくても申請
できるが、申請が通れば対象の
通院、薬が1割負担に
https://snabi.jp/article/107
(リタリコ仕事ナビ)https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/shougai/nichijo/tsuuin/seishintsuuin.html
(東京都福祉保健局HPより)
⑨障害者控除
・所得税、住民税、相続税等
税の控除が受けられる
https://snabi.jp/article/199
(リタリコ仕事ナビHPより)
⑩携帯電話等
・大手各社はそれぞれ、割引プランを
用意している
→楽天モバイル等、格安SIMの場合は
無いことが多い
ドコモ:https://www.nttdocomo.co.jp/charge/hearty/?icid=CRP_CHA_discount_img_to_CRP_CHA_discount_hearty
au:https://www.au.com/mobile/charge/charge-discount/smile-heart/
Softbank:https://www.softbank.jp/mobile/price_plan/options/heartfriend-white-plan/
JCOM:https://www.jcom.co.jp/service/heartful_pack/
→ただし身体障害3級以下、
療育手帳軽度
精神障害者保健福祉手帳2級以下
対象外
→その他にも各種優遇制度、割引はありますが、
あくまでも障害による、収入の得にくさ、
生活のしにくさのための援助制度。
割引などが受けられるからといって、
子供に安易に手帳の取得をさせるのは
この後触れる、障害受容においても
問題があると考えます
4.障害受容について
1)障害についていつぐらいから
説明するか?
①お子さんによって、理解力等から
説明する時期は異なります
②目安としては
・中学生
→特別支援学級に行く等
・高校生
→特別支援学校に行く等
・高校卒業時
→福祉系施設利用や障害者雇用で
働く等
・20歳
→障害者年金を申請する等
節目に入る際のタイミングが良いと
考えます。
③新しい環境に対し、今までと
違う状況に驚くと思います。
その際にはお子さんに障害について
説明をしておくことで、新しい環境に
入る前にショックを少なくする意味でも
必要です。
2)どのように説明するか?
①これもお子さんによって、障害の状況
年齢等でも異なりますが、
・図や表を使う
・YouTube等、当事者動画を使う
・ご自身の出来ること、
支援が必要なことを整理する
・支援を使うことは恥ずかしいこと
ではなく、むしろ積極的に使うメリット
・働く、一人で暮らす、結婚する等も
可能なこと等
否定的、悲観的な情報ではなく、
プラスの情報、可能性を伝えることが
大事です。
②否定的、悲観的な伝え方にならない
ようにするためには、まず親が悲観的に
考えていては、子供に伝わってしまいます。
③親が悲観的にならないためにも、親自身が
情報をしっかり取り入れ、こういった時は
こんな事が出来るとプラスにイメージして
おきましょう。
3)自分ではうまく説明できないと思ったら?
①放課後等デイや相談支援専門員、
発達支援センター等に関わって
もらっていたら、迷わずアドバイスを
求めましょう
②伝え方や時期、内容など、親だけでは
悩んでしまうことも支援機関を使って、
上手に整理していきましょう
4)もし本人がショックでふさぎ込んだら?
①いつが適切なタイミングなのかは
誰にもわかりません。
ふさぎ込んでしまったとしても、
そっとしておく時期、再度アプローチ
する時期など色々試してみたり、
支援機関にも相談しましょう
②親がフォローするより、他人である
支援機関がフォローしたほうが
効果的なこともあります。
③年齢的に参加できそうなら、当事者
団体、イベントは今数多く存在します。
ご本人に参加を促し、ご本人から
同じ仲間に色々聞いてみることで、
整理できることもあります。
→妻は当事者団体イベントに参加し、
あるあるを聞いたりで整理できた
ようです。
・ピアサポートNecco
https://neccocafe.com/
・こくちーずHPよりhttps://www.kokuchpro.com/feature/%E7%99%BA%E9%81%94%E9%9A%9C%E5%AE%B3+%E5%BD%93%E4%BA%8B%E8%80%85%E4%BC%9A/
・発達障害バー
https://www.hotpepper.jp/mesitsu/entry/cocolo/18-00460
(メシ通HPより)
5)障害受容無く成長した場合
①経験した事例、妻のことも含め
振り返ってみると、障害とわからず
成長した場合、数多くの方は
自分が怠けている、出来ないと
劣等感をいだきながら成長して
いきます
②障害とわかったことにより、
「自分が怠けていたせいではない」
「障害からくるものだったのか」と
安心したという事例も数多くあります
③なぜ安心したかといえば、
「出来ない」理由が見つからないから、
理由が見つかり、対策や支援策といった
具体的にどうしたらいいかが整理
出来るからと感じました
④障害受容はご本人が自立して親元と
離れるにあたり、避けては通れない
道です
⑤お子さんの自己肯定感が上がり、
障害を受け止めながらも支援を活用し、
自立に向けてサポートできるよう
親が必要な知識を入れ、来る時期に
備えましょう
5.まとめ
1)障害受容の時期、アプローチは
人それぞれですが、成長、自立に
必要なステップ
2)否定的、悲観的にならないよう、
支援機関も使いながら、親自身が
将来をプラスに捉えられる
イメージ作りを
3)自立した生活に必要となる障害者
手帳等の制度はうまく活用しながら、
本人が安心できる環境設定をしていく
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