令和元年6月22日(土)勉強会
1.そもそもフリースクールってどんなところ?
1)文科省ではフリースクールをこのように定義しています。 ↓
「フリースクール(フリースペース)とは、不登校の子供を受け入れることを主な
目的とする団体、施設を指す」
2)施設運営は、個人、民間企業、NPO法人等が運営している。
→様々な規模、形態のフリースクールがある。
3)フリースクールの特徴
・入学資格を設けていないこと
・異なる年齢・年代の子供が集まっている
・決まったプログラム、カリキュラムを持っていないこと等
2.フリースクールは出席日数に認定される?
1)1992年より小中学校、2009年より高等学校も出席認定に認められてきている。
2)在籍校の出席扱いとするかは在籍校の校長判断に委ねられる。
→指導要録の出席日数扱いにはなる。(施設外学習として)
通知表(内申書)の出席人数扱いにならないことはある。
3.フリースクールの費用は?
1)授業料月額は文科省調査では、平均約33,000円
2)入会金は平均約53,000円
4.卒業後の進路、学歴は?
1)在籍校の校長による許可が出れば、出席日数として承認される場合もあり、
義務教育上の小中学校の卒業資格を得ることが出来ます。
2)高校については、高校卒業認定試験や通信制、定時制高校などを併用して、
取得が出来る。
5.都内のフリースクール数の状況(別紙参照)
6.板橋区のフリースクールを実際見学してみて
1)レインボー熊野町
①放課後等デイサービスの制度利用したフリースクール型放課後等デイサービス。
②10:30~14:00の午前枠、と14:00~以降の午後枠と分かれていて、
両方の枠を合わせて1日定員10名。
③平日午前から開けている放課後等デイは都内でも少なく、午前枠は定員3~4名。
④送迎は新規利用からは受けていない。ドライバーの確保も難しく、
今後は自分で通うもしくは自主送迎の方向に。
⑤出席日数のカウントには校長判断でなっている子もいるし、なっていない子も
いる。
⑥カリキュラムは希望があればレインボーで用意することもあるし、
自分で教材を持って来て勉強する子もいる。
⑦待機は現在10名くらい。希望曜日、緊急性で順番が早まったり、遅くなったり
することもある。
⑧相談支援専門員は付いているほうがいい。
→なじみの相談員からの相談で利用につながりやすくなることある。
⑨次の店舗展開としては、放課後等デイではないが、レインボー+という
自費型の施設をオープン。
→放課後等デイは制度基準が厳しくなり、自費型にした経緯も。
⑩とにかく預かってくれればいいという保護者も意外といる。
→学校に戻るのがそういった理由で難しくなることも。
⑪利用は秋ぐらいに見学相談、2~3月くらいに再度連絡し、空き状況などを
確認するのが良いそう。
⑫3~4名の児童にスタッフが時間帯に寄るが、マンツーマンに近い形になる
こともある。
⑬児童の生き生きとした姿が印象的。不登校で学校に通えないとは思えないくらい、
自分の居場所として過ごしていた。
2)板橋フレンドセンター
①区の教育支援センターが運営している中学校跡地を利用した施設。
②費用は無料。給食は無くお弁当持参。
③グランドでの外活動や隣の地域センターの体育館を利用した活動もある。
④朝9時~午後5時までの月~金の利用。
→1日1時間、週1回でもいい。
⑤以前は学校に戻る事を主目的にしていたが、昨年より居場所機能としての側面を
強めた。
⑥利用は小学校4年生から中学校3年生まで。
→小学生は5~6名で中学生が多い。
⑦現在登録が40名程度で1日の利用は20名程度。
⑧朝から時間割があるが、それに乗らなくても良い。
⑨スタッフは元校長先生などもいて、以前は6~7名だったが昨年より増え、13名
程度スタッフが居る。
⑩毎週水曜日臨床心理士が来て、カウンセリングもしている。
⑪夏休みの時期も自主学習スペースとして開放している。
⑫学習スペースは衝立がついて、自主学習がしやすい配慮、スタッフがそこに個別で
つくなどの配慮がある。
⑬集団が苦手な子は別室での勉強スペースもあり、そこにスタッフも付く。
⑭自由な過ごし方なのでトラブルが多いかと思いきや意外と少ないそう。
⑮区の教育委員会が関わっているため、就学相談のリンクもしている。
⑯利用は見学、面談後登録し、学校長の認めをもらい申し込みして利用となる。
⑰利用した日数は在籍校の出席日数に加算することが出来る。
⑱元学校を利用していることもあり、学校に戻るイメージがしやすい一方、
学校環境が全くだめな子は拒否反応が強いかも。
⑲知的障害があり、特別支援学級等の固定級に通っている児童は利用できない。
→特別支援教室、通級利用児童は可。
⑳実際利用についての見学ではないため、生徒さんが居ない時間での施設見学でし
たが、居場所機能が強くなったこと、費用負担が少ない事、学び方の環境や区、学
校との連携については教育センター運営とあって、強味だなと感じました。
3)フリースクール@なります
①成増幼稚園近くの民家を利用したフリースクール。
②個別指導で個々のやりやすいやり方や苦手な事をどうサポートするのが
いいのかを主眼に置いている。
③発達障害の診断が出ている子、出ていないがグレーゾーンな子の利用も多い。
④現在生徒は2名。小学校高学年と中学生。
⑤以前は最大8名まで利用していて、高校生も来ていた。
⑥スタッフは精神保健福祉士を持ち、基本1人でやっているが、生徒が多い時期は
ボランティアスタッフも頼んでいる。
⑦ほぼ指導要録の出席日数扱いにはなっているが校長次第。
⑧田舎の実家に来たような雰囲気で、庭には畑もあり、収穫したり、調理したりも
ある。
⑨通信高校を利用した際のサポート校的な役割もしている。
⑩スタッフの方はフリースクールからの進学や通院校などの知識を豊富に
持たれていて、義務教育ではない高校進学の選択肢を増やす相談に乗って
もらえる印象を受けました。
⑪通学コースと通えない子への在宅コースも行っている。
7.実際にフリースクールを見学して見て
1)様々な形態、強味を持って行われていることに驚きました。
2)区内としては選択肢は少ないですが、近隣区まで範囲を広げれば、様々な
学び方、場所がある安心感を得ました。
3)学校で学ぶことが全てではなく、発達に障害があった場合、その子に合った
いま必要な学習や環境は何か?というアプローチでフリースクールをとらえる
ことは、むしろ障害のある子たちには合っているのでは?と感じました。
4)発達障害ある子の学び=フリースクールと言う選択肢に行きつく子はまだまだ
少ないようです。行政に相談した際もフリースクールにという紹介は無く、
最後に行きつく方も多いようです。
5)保護者としては、学校の出席日数扱いになるのか?は気になるところですが、
現状は学校長判断で出席日数カウントになるかならないかに関係なく、
義務教育は卒業出来てしまうようです。
6)学校になじめない、うまく行かないときの選択肢とて、保護者が既に知識として
持っているか持っていないかは大きな差が出ると感じました。
7)フリースクール=不登校児のイメージを外し、自分の子が学ぶ環境して有効活用
できるのか出来ないのか、発達に有効かどうかで見ることが大事なようです。
8)フリースクールは様々なやり方や環境なので、将来につながるのか?大丈夫なの
か?と思うこともあるとあると思いますが、見た目の側面だけでなく、必要なら
チャレンジすることが大事だと感じます。
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