「障害者手帳と障害受容」

〜障害者手帳は取得する?しない?~


1.障害者手帳とは?

  https://snabi.jp/article/1

  (リタリコ仕事ナビより)

 1)障害のある人が取得できる

   手帳の総称


 2)手帳の取得は任意


 3)「障害等級」という区分が

   ある

   ① 生活の支障程度や症状に

    応じて区分が決まる


   ② 障害福祉サービスを利用

    する際に取得する「受給者

    証」の区分とは別物である


 4)手帳の制度が出来た時期、

   制度を定めている法律は

   それぞれ異なる


 5)手帳ごとに申請手続き、

   窓口が異なる


2.障害者手帳の種類

  1)身体障害者手帳

   ① 等級が1~7級まであり、

    1級が重く、7級が軽く

    なる


   ② 対象は身体に障害がある

    方として

   ・視覚障害

   ・聴覚や平衡機能の障害

   ・音声機能、言語機能、

    そしゃく機能の障害

   ・肢体不自由

   ・心臓やじん臓、呼吸器の

    機能の障害

   ・ぼうこうや直腸の機能の

    障害

   ・小腸の機能の障害

   ・ヒト免疫不全ウイルスに

    よる免疫機能の障害

   ・肝臓の機能の障害

    等の方が対象となる


    ③ 申請窓口は市区町村の

            障害福祉課など


 2)療育手帳

   ①法律で定められた制度では

   なく都道府県・政令指定

   都市が制定


   ②自治体によって制度名や

   支援内容、取得の基準など

   が異なる


   ③名称は療育手帳の他、

   「愛の手帳」(東京都・

   横浜市)、「愛護手帳」

   (青森県・名古屋市)、

   「みどりの手帳」

   (さいたま市)


   ④判定の目安として

   ・おおむね18歳以前に知的

    機能障害が認められ、

    それが持続

   ・知的検査によって測定

    された知能指数(IQ)が

    75以下

   ・日常生活に支障が生じて

    いるため、医療、福祉、

    教育、職業面で特別の

    援助を必要


   ⑤等級は最重度、重度、中度、

   軽度や1度、2度、3度、4度

   ○A、A、B、Cと表し、自治

   体によって表現が異なる


 3)精神障害者保健福祉手帳

  ①取得対象要件としては、精神

   疾患での初診から6ヶ月以上が

   経っていること


  ②対象疾患は統合失調症、

   うつ病、双極性障害などの

   気分障害、てんかん、薬物や

   アルコールによる急性中毒や

   その依存症、高次脳機能障害、

   発達障害


  ③知的障害と精神疾患の両方

   ある場合は、療育手帳と両方

   取得できる場合がある


  ④申請窓口は都内だと保健センター

   や保健所


  ⑤2年毎に更新が必要で、症状が

   軽くなったと判断された場合は

   手帳非該当となることもある


3.障害者手帳を取得するメリット

 1)障害者雇用で働きたい場合は

   手帳の取得は不可欠

   →企業は障害者雇用率のカウント

    となるため


 2)料金の割引や助成がある

  ①心身障害者医療費助成制度

   https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/iryo/josei/marusyo.html

   (東京都福祉保健局HPより)

   ・身体障害者手帳1級・2級の方

    (心臓・じん臓・呼吸器・

     ぼうこう・直腸・小腸・

     ヒト免疫不全ウイルスに

     よる免疫・肝臓機能障害の

     内部障害については3級も

     含む

   ・愛の手帳1度・2度の方

   ・精神障害者保健福祉手帳1級の方


  ②心身障害者福祉手当(各自治体)

   https://www.city.itabashi.tokyo.jp/kenko/shogai/teate/1003209.html

   (板橋区HPより)

   ・支給月は、4月・8月・12月

   ・身体障害者手帳1,2級

    愛の手帳1,2,3級 等

    15,500円(1ヶ月)

    身体障害者手帳3級

    愛の手帳4度 等

    7,750円(1ヶ月)

 

  ③特別障害者手当(国の制度)

   https://www.city.itabashi.tokyo.jp/kenko/shogai/teate/1003211.html

   (板橋区HPより)

   ・支給月は、2月・5月・8月・

    11月

   ・重度の障がい20歳以上の方

    身体障害者手帳1級・2級程度

    愛の手帳1度・2度程度で

    かつそれらの障害が重複して

    いる方

    もしくは上記と同等の疾病・

    精神の障がい

   ・支給額は27,350円(1ヶ月)


  ④公共料金割引

   ・NHK受信料免除(全額、半額)

    http://pid.nhk.or.jp/jushinryo/exemption_list.html

    (NHK HPより)

    →全ての障害で対象に

     なるわけではない


  ⑤交通関係

   ・都営交通無料乗車券

    →都営バス、都営地下鉄などが 

     無料になる

     https://www.kotsu.metro.tokyo.jp/other/kanren/fare/free.html

     (東京都交通局HPより)

     https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/shougai/nichijo/jousyasyo.html

     (東京都福祉保健局HPより

      精神障害者保健福祉手帳)


   ・JR他各社

    →各交通機関で、障害の種類、

     1種2種、介助者ありなし、

     距離で割引対象になるか変わる

     JR:https://www.jreast.co.jp/equipment/waribiki/

     東武鉄道:https://railway.tobu.co.jp/ticket/disability/

     西武鉄道:https://www.seiburailway.jp/ticket/waribiki/index.html

     東京メトロ:https://www.tokyometro.jp/ticket/guide/disability/index.html

    

   ・タクシー

    →手帳の提示で料金の10%割引

     https://shogaisha-techo.com/archives/4723/

     (障害者手帳で行こうHPより) 

     https://www.city.shinjuku.lg.jp/fukushi/file06_04_00063.html

     (新宿区HPより)

     ※手帳提示についてはこんなことも

      https://www.soumu.go.jp/kanku/kanto/pdf/070905_1.pdf

      (総務省資料より)


   ・高速道路

    →身体障害で本人が運転か

     同乗で重度障害かで対象かが

     変わる

     https://www.w-nexco.co.jp/etc/handicapped/guidance.html

     (NEXCO西日本HPより)


  ⑥住宅

   ・都営住宅

    →優遇抽選がある

     https://www.juutakuseisaku.metro.tokyo.lg.jp/juutaku_keiei/261toei3.htm

     (東京都住宅政策本部)

     入居応募で障害者世帯向けがある

     https://www.city.tokyo-nakano.lg.jp/dept/404500/d001908.html

     (中野区HPより)

     使用料減免がある

     https://www.to-kousya.or.jp/nyukyosha/toei/s_siyougenmen.html

     (東京都住宅供給公社HPより)


   ・区営住宅

    →障害者世帯向け住宅、使用料

     減免等、各区で異なる

     https://www.city.shinjuku.lg.jp/seikatsu/file07_01_00001.html

     https://www.city.shinjuku.lg.jp/content/000174432.pdf

     (新宿区HPより)

     https://www.city.edogawa.tokyo.jp/e017/kurashi/sumai/kotekijutaku/toei.html

     (江戸川区HPより)


  ⑦施設

   ・公共施設

    →美術館や博物館等、無料になる

    

   ・民間施設

    →映画館や宿泊施設等、割引に

     なるところがある

    https://shogaisha-techo.com/archives/category/tokyo/

    (障害者手帳で行こうHPより)


  ⑧自立支援医療(精神通院医療)

   ・手帳を持っていなくても申請

    できるが、申請が通れば対象の

    通院、薬が1割負担に

    https://snabi.jp/article/107

    (リタリコ仕事ナビ)https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/shougai/nichijo/tsuuin/seishintsuuin.html

    (東京都福祉保健局HPより)


  ⑨障害者控除

   ・所得税、住民税、相続税等

    税の控除が受けられる

    https://snabi.jp/article/199

    (リタリコ仕事ナビHPより)


  ⑩携帯電話等

   ・大手各社はそれぞれ、割引プランを

    用意している

    →楽天モバイル等、格安SIMの場合は

     無いことが多い

     ドコモ:https://www.nttdocomo.co.jp/charge/hearty/?icid=CRP_CHA_discount_img_to_CRP_CHA_discount_hearty

     au:https://www.au.com/mobile/charge/charge-discount/smile-heart/

     Softbank:https://www.softbank.jp/mobile/price_plan/options/heartfriend-white-plan/

     JCOM:https://www.jcom.co.jp/service/heartful_pack/

     →ただし身体障害3級以下、

      療育手帳軽度

      精神障害者保健福祉手帳2級以下

      対象外


  →その他にも各種優遇制度、割引はありますが、

   あくまでも障害による、収入の得にくさ、

   生活のしにくさのための援助制度。

   

   割引などが受けられるからといって、

   子供に安易に手帳の取得をさせるのは

   この後触れる、障害受容においても

   問題があると考えます


4.障害受容について

 1)障害についていつぐらいから

   説明するか?

  ①お子さんによって、理解力等から

   説明する時期は異なります


  ②目安としては

   ・中学生

    →特別支援学級に行く等

   ・高校生

    →特別支援学校に行く等

   ・高校卒業時

    →福祉系施設利用や障害者雇用で

     働く等

   ・20歳

    →障害者年金を申請する等

   節目に入る際のタイミングが良いと

   考えます。

   

  ③新しい環境に対し、今までと

   違う状況に驚くと思います。

   その際にはお子さんに障害について

   説明をしておくことで、新しい環境に

   入る前にショックを少なくする意味でも

   必要です。


 2)どのように説明するか?

  ①これもお子さんによって、障害の状況

   年齢等でも異なりますが、

   ・図や表を使う

   ・YouTube等、当事者動画を使う

   ・ご自身の出来ること、

    支援が必要なことを整理する

   ・支援を使うことは恥ずかしいこと   

    ではなく、むしろ積極的に使うメリット

   ・働く、一人で暮らす、結婚する等も

    可能なこと等

   否定的、悲観的な情報ではなく、

   プラスの情報、可能性を伝えることが

   大事です。


  ②否定的、悲観的な伝え方にならない

   ようにするためには、まず親が悲観的に

   考えていては、子供に伝わってしまいます。


  ③親が悲観的にならないためにも、親自身が

   情報をしっかり取り入れ、こういった時は

   こんな事が出来るとプラスにイメージして

   おきましょう。

  

 3)自分ではうまく説明できないと思ったら?

  ①放課後等デイや相談支援専門員、

   発達支援センター等に関わって

   もらっていたら、迷わずアドバイスを

   求めましょう


  ②伝え方や時期、内容など、親だけでは

   悩んでしまうことも支援機関を使って、

   上手に整理していきましょう


 4)もし本人がショックでふさぎ込んだら?

  ①いつが適切なタイミングなのかは

   誰にもわかりません。

   ふさぎ込んでしまったとしても、

   そっとしておく時期、再度アプローチ

   する時期など色々試してみたり、

   支援機関にも相談しましょう


  ②親がフォローするより、他人である

   支援機関がフォローしたほうが

   効果的なこともあります。


  ③年齢的に参加できそうなら、当事者

   団体、イベントは今数多く存在します。

   ご本人に参加を促し、ご本人から

   同じ仲間に色々聞いてみることで、

   整理できることもあります。

   →妻は当事者団体イベントに参加し、

    あるあるを聞いたりで整理できた

    ようです。


  ・ピアサポートNecco

   https://neccocafe.com/

  ・こくちーずHPよりhttps://www.kokuchpro.com/feature/%E7%99%BA%E9%81%94%E9%9A%9C%E5%AE%B3+%E5%BD%93%E4%BA%8B%E8%80%85%E4%BC%9A/

  ・発達障害バー

   https://www.hotpepper.jp/mesitsu/entry/cocolo/18-00460

   (メシ通HPより)


 5)障害受容無く成長した場合

  ①経験した事例、妻のことも含め

   振り返ってみると、障害とわからず

   成長した場合、数多くの方は

   自分が怠けている、出来ないと

   劣等感をいだきながら成長して

   いきます


  ②障害とわかったことにより、

   「自分が怠けていたせいではない」

   「障害からくるものだったのか」と

   安心したという事例も数多くあります


  ③なぜ安心したかといえば、

   「出来ない」理由が見つからないから、

   理由が見つかり、対策や支援策といった

   具体的にどうしたらいいかが整理

   出来るからと感じました


  ④障害受容はご本人が自立して親元と

   離れるにあたり、避けては通れない

   道です


  ⑤お子さんの自己肯定感が上がり、

   障害を受け止めながらも支援を活用し、

   自立に向けてサポートできるよう

   親が必要な知識を入れ、来る時期に

   備えましょう


5.まとめ

 1)障害受容の時期、アプローチは

   人それぞれですが、成長、自立に

   必要なステップ


 2)否定的、悲観的にならないよう、

   支援機関も使いながら、親自身が

   将来をプラスに捉えられる

   イメージ作りを


 3)自立した生活に必要となる障害者

   手帳等の制度はうまく活用しながら、

   本人が安心できる環境設定をしていく





「ペアレント・トレーニングと

アンガーマネジメントについて」

~怒らないスキルと

                自己肯定感の関係~


1. そもそもペアレント・

       トレーニングって?


  1) ペアレント・

         トレーニングの意味

    ① 保護者が子供とより

        よい関わり方を学び、

        日常での困りごとを

        解決し、子供の発達

    促進行動改善

        目的とした保護者

        向けのプログラム

 

    ~リタリコ発達ナビより~

  https://h-navi.jp/column/article/766



  2) ペアレント・

        トレーニングで行うこと

    ① 簡単に言うと子供のしてほしい

       ことしてほしくないことなど

       子供の行動に焦点を当て、具体

       的にどのように対応できるかの

       学習をする

       →この考え方はABA療法の考え

          方にも似ていますね


~大阪大学 医学部保健学科より~

http://sahswww.med.osaka-u.ac.jp/~gendaigp/project/p04.html


   ② その中でも様々な方式があり、

    ・精研式・奈良方式ペアレント

       トレーニング

     →講義ロールプレイ・ワーク

         を行い、学んだことをホーム

         ワークで実践し、次回にそれ

         をグループで共有するという

         サイクルでプログラムが進む

                                 ↓

          子どもの行動を好ましい

          行動好ましくない行動

          許しがたい行動の3つにわけ、

          ほめ方などそれぞれに対する

          対応を学んでいくことが特徴


          →グループで実践を共有する

             ことで、ご家族の関わり方

             への振り返りを促す。

 

・肥前方式ペアレントトレーニング

 →講義パートと、家庭での対応

      グループの中で個別に検討する

     パートの二部構成になっている。

                          ↓

     例えば「座って食事をする」

     など、対象となる行動を決め、

     ご家族が家庭で行動を観察・

     記録し、講義で学んだ環境調整

     や対応について支援者と実際に

     検討していく。


  →効果として、設定した行動

        をお子さんが習得する、受講

        者やご家族の抑うつが改善

        する、受講者が養育技術の

        知識を獲得するなどがある。


・鳥取形式ペアレントトレーニング

 →精研式と同様、講義ワーク

       行い、学んだことをホーム

       ワークで実践し、次回にそれを

       グループで共有するというサイ

       クルでプログラムが進む。

                          ↓

       目的として、ご家族が子どもの

       特性発達の状態を知ることや

       子どもとのコミュニケーション

       を楽しめるようになること、

       子育て仲間をつくることなどが

       ある。


       内容は、お子さんをのばす

       ほめ方環境調整の仕方指示

       の出し方行動の教え方など。


  →効果として、ご家族の養育

         不安抑うつの減少や、健康

         度の上昇などがある。


~リタリコ発達ナビより~

https://h-navi.jp/column/article/766



  3) ペアレントトレーニングは

         どこで受けられる?

    ① まめの木クリニック・発達

        臨床研究所

    ② LITALICOジュニア

    ③ 東京大学医学部附属病院・

        こころの発達診療部

    ④ 島田療育センター

        等々


~発達スタディサイトより~

https://hattatsu-study.net/column/parent_training_kanto


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2. アンガーマネジメントって

       なんだ?


  1) アンガーマネジメントの

         意味

    ① アンガーマネジメントとは、

        1970年代にアメリカで生ま

        れたとされている怒りの感情

    と上手に付き合うための心理

        教育、心理トレーニング


    ② 怒らないことを目的とするの

       ではなく、怒る必要のあること

       は上手に怒れ、怒る必要のない

       ことは怒らなくて済むように

       なることを目標。

       

      →当初は犯罪者のための矯正

          プログラムなどとして活用

          されていましたが、時代の

          変遷とともに一般化。


~日本アンガーマネジメント協会HPより~

https://www.angermanagement.co.jp/


  2) アンガーマネジメントの効果

    ① 小さな子どもの育児で、子ども

       が言うことを聞かないと、すぐ

       に叱りつける

       

       →自分の怒りをコントロール

          するを持つことで、怒り

          を感じたときに即座に怒り

          を表すことが効果的では

          ないということを理解。


    ② 怒りを感じても、その怒りを

       トーンダウン

        →子どもがなぜ言うことを

           聞いてくれないのかを、

           穏やかに尋ねることも

           可能になる。


3) アンガーマネジメント診断

 ・自分がどのようなときに怒りを

     感じやすいかを理解することが

     重要

  

    →アンガーマネジメント診断を

         行うことで、自分の怒りの

         タイプが見えてくる


    ① 公明正大タイプ

    (特徴)

    自分の考え方や信念を大切

      にし、定めた目標に向かって

      努力するタイプ。

      

      →正義感が強く、道徳心も

         高いので、他人から頼りに

        されるというのが長所。

                         ↓

         ルール違反規則に従わ

         ない人を見ると、怒りが

         沸き、公共の場でも迷わず

         介入する場合もある。

   

  (イライラを減らすコツ)

  道徳観規範を大切にする

      タイプであるがゆえに、

      周りのちょっとした不正も

      許せないことが短所。

  

      ・自分の価値観他人の

          価値観は違うのだと

          いうことを意識する。

  

      ・自分の中のルールや規則

         を押し付けることなく、

         他人の考え方を受け

         入れる。


    ② 博学多才タイプ

    (特徴)

    向上心が高く、何事も挑戦

      しようという前向きな

      タイプ

     

      →完璧を追求し、困難な

         状況下でも物事をやり

         遂げようとする点が

         長所。 

                        ↓

         しかし、完璧主義が災い

         して、自分にも他人にも

         厳しくなりがち。

         優柔不断な人や考え方が

         違う人に対して、怒りを

         感じることが多い。

      

     (イライラを減らすコツ) 

        物事に対して意欲的に取り

        組み、自分自身を成長させ

        るのは素晴らしいことです

        が、周りには、それができる

        人ばかりではない。

   

        ・白か黒ではなく、中間も

           あって良いのだという

           意識を持つ。

 

    ・価値観が違う人に対する

            視野を広げる


    ③ 威風堂々タイプ

     (特徴)

        自分に自信を持ち、リーダー的

        素質を兼ね備えるタイプ。


        →プライドが高く、思い描いて

           いた方向に物事が進まなかっ

           たり、自分への評価を低く

           されたりすると怒りや

           ストレスを感じます。


  (イライラを減らすコツ)

         自分に自信があることは

         プラスにも働きますが、

         その自信がゆらいでしまう

         かのような出来事に遭遇

         したとき

   

       ・「自分自身を否定された

              と思わない。

    

   ・「最善の判断が採用

             された」と捉える。

   

    ④ 天真爛漫タイプ

     (特徴)

     自分の気持ちを正直に伝える

       ことができ、行動力もある

       ため、人から羨ましがられる

       存在であることも多いタイプ。


       →素直すぎてストレートな

          物言いをし、空気を読む

          ことが苦手

          制限がかかる状況に身を

          置いていると、不満や

          ストレスを感じる。

   

   (イライラを減らすコツ)

   自分の気持ちに正直に、

          勢いで行動することが

          多い。

   

     ・一旦立ち止まって

            考えたり、他人の意見を

            聞いたりすることを心が

            ける。

 

   ・一旦相手の意見に従う

            方が上手くいくケース

            もある、ということを

            意識する。


    ⑤ 外柔内剛タイプ

     (特徴)

     外見は穏やかに見えますが、

       確固たる自分の意思を持って

       いるタイプ。

       

       →自分の決めたことはやり

          通すことを信条にしている。

                          ↓

          他人から何かを頼まれること

          も多くなりがち。

          したくないことをしなくては

          ならなかったり、自分の

          ルールに反している物事

   出会ったりするとストレスの

          原因となる。


  (イライラを減らすコツ)

      自分自身の信条を持っている

          ため、それに合わない事

          行うのが苦手。


         ・自分の信条を緩やかにする

            ことで、他人への怒りが軽減

            する。

 

         ・誰かに何かを頼まれても、

            それを制限する。


         ・自分のためのストレス発散

            法を見つけたりする。


     ⑥ 用心堅固タイプ

      (特徴)

       真面目な性格で、物事を自分

         自身で客観的に判断できる

         タイプ。

         

          →慎重に行動するため、冒険

             は好みませんが、周りに

             頼るこが苦手。

                              ↓

          他人にレッテルを貼り

            がちで、自分と比較する

            ことで、ねたみや怒りの

            感情を感じる。


  (イライラを減らすコツ)

   冷静に物事を見ることは大切

         ですが、他人を信用する

         ことができない。

   

          →交友関係がスムーズに

             進まないことが多々出る。


     ・他人への思い込みを

              避け、時には周りに

              頼ること。

       

           ・他人との距離も縮まり

              楽になることができる。


 4) アンガーマネジメント3つの

        テクニック

    ・アンガーマネジメントのテク

       ニックは、「衝動」「思考」

      「行動面」に焦点を当てた消化

       方法がある。


    ① イライラしたら6秒待つ

      ・怒りが生じたとき、その

         ピークは6秒だと言われてる。


          →6秒を過ぎると、怒りの

             衝動性は収まる。


   ・怒りを感じたときに6秒待つ

        ということは大変なこと

        でもある。 


        →慣れるまでは、その6秒を

           やり過ごすために、


           怒りの詳細を紙に書き出す

           深呼吸をして心を落ち着か

           せる。

           その場を一旦離れる


    ② 「~するべき」の境界線を

         広げる

       ・怒りが生じたときに、6秒間

          待つことができるように

          なったら、次のステップ。

   

       ・怒りを感じるときに感情面

          だけではなく、思考面も

          密接に関連している。


          →「~するべき」という

               自分の中の価値観を

               持っており、他人が

              その考えと異なる

              怒りを覚える。

    

    ・自分が考える「~するべき」

        と他人が考える「~するべき

        には、ギャップが存在し、

        理解することが重要。


     →相手の価値観に対して、

            自分と違う考え方もある

            ことを発見し、何もかも

            100%を求めない


    ③ 自分でできることに注力する

     ・怒りを感じたときに、「6秒

        待つ」と「~するべき」と

        いう自分の価値観の境界線を

        広げることができるように

        なったら、分の行動面に

        気を配ることに注力する。

       

        →自分で行動できることに

           のみ目を向け、自分の力で

           行動のコントロールができ

           ない事柄には、エネルギー

           を使わない


  ・自分の力でコントロール

       できない事柄に怒りを感じ

       ても、無駄なエネルギー

  

   →このことを理解できるよう

           になれば、怒る必要がない

           場面では怒らないという

           ことができるようになる。


~マイナビAGENTHPより~

https://mynavi-agent.jp/dainishinsotsu/canvas/2017/12/post-38.html


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3. 人はなぜ怒るのか?

  

  1) 対象者への要素

     ① 話を聞かない、言うことを

         聞かない

     ② 想定外のことをする 等々


  2) 自分自身の要素

     ① 体調

     ② メンタル・対人関係 等々


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4. 怒ることのデメリット


  1) 自己肯定感の低下

    ① 発達障害の子供自己肯定感

        の低さ(データ)

      ・子どもの自己肯定感は、

         周囲の大人から影響を

         受けるものなのかの?

   

         → Schmittという研究者

             らは、世界53カ国の

             大人の自己肯定感を

    世界的に定評のある

             評定尺度(Rosenberg)

             を使って比較すると

    いう研究を行った結果

                            ↓

            ・なんと日本の大人

               自己肯定感は53カ国

               中最低


           ・最下位5カ国は日本、

              香港、台湾、バングラ

              デシュと4カ国がアジ

              ア圏。


           ・アジア以外ではチェコ

              のみ。


          ・これらの国に共通する

             ことはなく、経済的な

             発展ではないし宗教

    でもない


     ② 日本の子どもは世界一自己

         肯定感の低い大人に囲まれ

         て育っている。


~榊原 洋一氏ブログより~

(CRN所長、お茶の水女子大学名誉教授、ベネッセ教育総合研究所常任顧問)

https://www.blog.crn.or.jp/chief2/01/72.html


      ③ 海外の研究では、低学力、

          少年犯罪、薬物依存、10代

          の妊娠、自殺などと、自己

          肯定感に相関があると指摘。


          →日本においても、居場所が

             なく不安を抱える子ども

             たちが増えていることが

             指摘されている。


      ④ 古荘 純一 氏: 青山学院大学

          教育人間科学部教授の調査

   でも、QOL(クオリティ・

   オブ・ライフ=生活の質、

   人生の質)が低い抑うつ

   度が高くQOLの低下

   自尊感情の低下が密接に

   関係している。


          →抑うつ度が高い自尊

    感情が低くなることが

    わかった。


      ⑤ 子どもたちは主に愛着の

   形成時期に、母親もしくは

   父親が自分をどう見ている

   かで、自分自身の価値

   推し量っていることが多い。


          →周囲の大人が、子ども

    たちに「悪いところが

    たくさんあるから直さ

    なければいけない」

            などと否定的なメッセー

     ジを送り続ければ、

          「できないのは自分が悪い

           からだ」と思い込んで、

           自分を受け入れることが

           できず、自己肯定感は

            低くなる


      ⑥ QOL調査をはじめた2000年頃

          から気になっているのは、

          子育てをしているお母さん・

          お父さんたち自身自己肯定

          感が育まれていない、保てて

          いない。


       ⑦ QOL調査では、自尊感情は

           小学生よりは中学生中学

           生よりは高校生のほうが

           低い傾向がある。

   

       →問題は、日本の青年は

              自分自身が「それで

              いい」と思えないまま

              大人になり、社会生活

             を送っている。

    

~東洋経済ONLINE「自己肯定感「低い子供」が減らない日本の危うさ」より~

https://toyokeizai.net/articles/-/283232?page=3


  2) 将来への悪影響

     ① 失敗恐れやりたがらない

     ② 引きこもり

     ③ 将来の選択肢が狭まる 等々


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5. 怒らなくなるその他の手法


  1) 手法

     ① マインドフルネス

       ・マインドフルネスとは、

        「『今、この瞬間』を大切に

         する生き方」を指す。


         →ストレス軽減や集中力の

            強化などの効果が得られる

            とされることから医療分野

            やアップルやグーグル、

            フォードなどの大企業が

            社員研修の一環として

            マインドフルネス瞑想を

            導入。


~リタリコ仕事ナビより~

https://snabi.jp/article/118


      ② 認知行動療法(主に精神疾

          患患者の治療で使用)

       ・ストレスを感じたりした時、

           悲観的に考えて落ち込み、

           それを引きずる人もいれば、

           すぐに立ち直る人もいます。

           これは認知の違いから生じ

           ている。


           →学習の理論をもとに患者

              の行動の変容を促す

            「行動療法」と、医師が

             患者の認知の歪みを捉え、

             積極的にアドバイス

             することで治療の効果を

              期待した「認知療法」が

              基礎となっているのが

              認知行動療法。

   

        ・認知行動療法は、医師や

   カウンセラーのもとで受け

   られる。

   

   ☆本人の問題となっている

            ことの確認やアセスメント

          (情報収集・整理)


     ☆本人の症状が起きるメカ

             ニズムなどについての

             心理教育


     ☆治療目標の確認と、治療の

             実施


     ☆記録やアセスメントに基づ

             いた治療のステップアップ

             や修正


     ☆症状改善後の再発防止の

            ためのカウンセリングなど

            の心理教育


~リタリコ仕事ナビより~

https://snabi.jp/article/39


     ③ ノーバディズ・パーフェクト

      ・Nobody's Perfectプログラム

         では、0~5歳の子どもの

         親がグループの中で互いの

         体験や不安を話しあうこと

         によって、子育てのスキル

     を高め、自信を取り戻して

   いく。


         →プログラムを企画・運営

           <ファシリテーター>が、

            一人ひとりの価値観を

     尊重しながらプログラム

           を進行し、講座終了後も

           参加者同士が子育て仲間

           としてつながっていく

           よう支援する役割も担っ

           てる。

    

~ノーバディーズ・パーフェクト日本センターサイトより~ 

https://ccc-npnc.org/program/nobodysperfect.php


  2) ツール

     ① 記録

      ・スマホ

       LINE、ツイッター、Slack、

         Evernote、メモ機能等々


      ・ノート


      ・手帳


     ② 分析

      ・マインドマップ

      ・構造思考

      ・免疫マップ

      ・メタ認知力 等々


参考:マコなり社長

https://www.youtube.com/channel/UC7I3QTra4_kC4TSu8f7rHkA

中田敦彦のYouTube大学

https://www.youtube.com/channel/UCFo4kqllbcQ4nV83WCyraiw

メンタリスト DaiGo

https://www.youtube.com/user/mentalistdaigo


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6. まとめ


  1) 怒ってもいいことはない


  2) 子供が感情コントロール

        出来るようになるにはまず

        大人から


  3) 親自身が余裕を持つ

       (自己肯定感を上げる)


  4) 自己完結せず、他の方、

        機関との情報交換と新たな

        要素の取り入れ


  5) 試したことの記録・管理・

        分析

                       ↓


子供が成長・

変わっていく

ことを促すには


まずは大人が

固定概念を

捨て、変わり

ませんか?

「専門的な療育、療法の意味について」
~ABAやTEACCH、OT、PT、STが
        見る視点について~

1.なぜ療育に行かせようと
  思いましたか?

  ⇢ここでは参加した方に
   意見を聞きました。

   皆さん早い段階での
   利用とそれのメリット
   についての意見が多かっ
   たです。
 

2.皆さんは療育に何を求めて
  いますか?

  ⇢ここでも参加した方に
   意見を聞きました。

   求めている物とそれが
   実現出来そうな環境か、
   療育先で異なるようです。


3.この子達に必要な療育とは
  何か? 

 1)得意を伸ばして生きて
   いく
 
 2)これなら負けない自信

 3)結果ではなく、努力の
   プロセスを褒める

   ⇢ここでは私見も交え、
    プロセスを褒める
    データについての
    話をしました。


4.療育の専門家は子どもたちを
  どう見ているのか?

 1)絶えず客観的に情報収集し、
   仮説立て、評価している

 2)絶えず新しい手法、考え方を
   取り入れている

 3)それぞれの得意分野ごとでの
   アプローチをしている

   ⇢私が参加した、関わった
    専門家を見て、子供たちを
    どう見ているかをお伝え 
    しました。
 

5.代表的な療育・療法の意味
 1)ABA
   →日本名で応用行動分析と
    呼ばれ、別名行動療法とも
    呼ばれる。
        ↓
    伸ばしたい行動は褒め、
    褒美を与えて伸ばし、抑え
    たい行動に対しては、
    褒美を一切与えない、軽い
    不快を与えることによって
    抑えるを基本としている。

  ①アメリカの研究で2~3歳の
   自閉症幼児19人に対して、
   ABAに基づく平均週40時間の
   1対1の療育を、2年以上に
   わたって施した

   →結果子どもたちが小学校に
    入った時点で行われた追跡
    調査で、19人中9人(47%)が
    知的に正常になり、しかも
    付き添いなしで小学校普通
    学級に入学したことがわかった
    (治療前に知的に正常域だった
    のは2人)

  ②行動原理として3つ
   ・強化(好ましい行動を増やす、
    維持するために有効な手続き)
    人は何らかの行動の直後に、
    その人にとって<ごほうび>と
    なるものがあると、
    以後その行動は増加(あるいは
    維持)します。

    この、行動が増えたり、維持
    したりすることを「強化」と
    いい、<ごほうび>となるものを
    「強化子」といいます。

    ABAでは、新しい行動を覚える
    のが苦手という発達障害の特性を
    持つ子どもたちにも、「強化」を
    繰り返すことで行動形成できる
    ように教えていきます。
 
   ・消去(問題行動をやめさせたい
       ときの基本となる手続き)

    →行動の後にごほうびが与えられ
     なくなると、その行動は減少
     します。

     これを「消去」といいます。
     行動が減ったり、なくなる
     法則です。

     「消去」は、発達障害児の
     問題行動に対処するときに
     基本となる、とても重要な
     手続きです。

     問題行動を叱ってやめさせる
     のではなく、その行動の

     「強化子」
     (ごほうび)になっている
      ものは何かを考え、その
      強化子を与えないように
      すれば(=消去)、自然に
      減っていくということです。

      「叱る」より、まず「ごほ
      うびを与えない、得をさせ
      ない」。
 
   ・弱化/罰(嫌なこと(不快)を
    与えることで、行動を減らす
    手続き)

    →「弱化/罰」には、「注意する」
     「叱る」や、「ごほうびを取り
     上げる」などがありますが、あくま
     で“罰”ですので基本的には使用
     しません。

     工夫を重ねてもどうにもならない
     ときの最終手段と考えてください。

     あくまでも、問題行動を減らしたい
     ときには、「消去」(+好ましい
               行動形成)の手続きで対応します。

     行動を減らす・なくすためには、
     まずその強化子を見つけます。

     その際には、問題行動そのもの
     よりも、その前後に起こっている
     ことに注目する必要があります。

     事前の状態と行動、行動の結果を
     書き出すと、その行動がどんな
     結果(強化子)をもたらすのかが
     見えてくるはずです(これをABC
     分析といいます)。

 2)TEACHH
   →1972年以来行われているASD
    (自閉症スペクトラム障害)の
    当事者とその家族を対象とした
    生涯支援プログラム

  ①米ノースカロライナ州で行われて
   いるプログラムには
   「自治体規模の介入」
    →ノースカロライナ州政府の全面的な
     バックアップと全州規模での実施。

   「ゆりかごから墓場まで」
    →幼児期から成人して地域で生活する
     まで、障害児の一生を地域で生活する
     ための長期的体系的プログラム。

   「自閉症児の文化」
    →自閉症の人々の行動様式を文化の
     一つとして捉え理解しようとする。

   「親は共同療育者」
    →専門家のセラピストの支援と同等
     以上に、親の療育への関与が期待
     される。

   「構造化された教育」
    →予測不能な状態が苦手である特性を
     持つ自閉症児に対して、整理され、
     構造化された環境をつくる。

   ◎無理に彼らを世間の常識に合わせる
    のではなく、周囲の人々がASDの
    人々の捉え方を理解し、許容し、
    その上で彼らの特性が社会に適応
    できるようにすることで、QOLを
    高めていこうと考えるのがTEACCHの
    基本的な理念。

  ②TEACCHの「構造化のアイデア」その
   4つの考え方

   →ASD(自閉症スペクトラム障害)
    支援における「構造化」の重要性
    ASDの傾向がある子どもは、自分の
    周囲で「今、何が起きているか」
    「この後、何が起きるか」「自分は
    何をすればいいか」が明確に整理
    されていない場合、状況理解が難しく
    なり混乱してしまいます。
 
    そのため、「構造化」という手法を
    用いて環境を整理することで、状況
    理解を容易にします。

    環境が整理されると、心理的にも
    安定し、活動や学習へ参加することが
    できるようになります。
  
   ・「物理的構造化」活動別に場所を
     決める。「休む場所」「一人で
     勉強する場所」など

   ・「視覚的構造化」話しかけるなどの
    音声コミュニケーションよりも、
    イラストや写真で提示する視覚的な
    コミュニケーションの手法に強みが
    あります。
    →そのため、指示や、意思表示を
     イラストや写真を使って行う
     ようにします

   ・物理的構造化の手法は、大きく
    以下の2つです。

   ・エリアと期待される行動を対応
    させる(勉強する場所、遊ぶ場所、
    落ち着く場所)

   ・エリアを明確な仕切りで分ける
    (ついたて、棚、囲い、カーペット)

    また、活動エリアは大きく4種類に
    分けられます。

     1.ワークエリア(作業、勉強を
      する場所)

     2.プレイエリア(遊ぶ、落ち着く
      ための場所)

     3.トランジションエリア(中継地、
      その日あるいはこの後何をすれば
      いいかなど、個別スケジュールが
      確認できる場所)

     4.その他、カームダウンエリア
      (感情的になったとき、冷静に
      なるための場所)など

   ・ 個別のスケジュール化
    ASDの子どもは、時間の概念を理解
    することが難しく、自分から先の
    ことを見通すこと、先を想像する
    ことに困難があり、いま、ここの
    世界に生きています。
 
    そのため、前もって何が起こるか、
    何をすればいいかがわからないと
    不安やパニックに陥りがちです。

    不安を回避し、安心して学習や
    作業に取り組むために、「スケ
    ジュールを決める」ことが有効です。

   ・ワークシステム
    今の状況を理解したり、先を見通す
    ことに困難があるASDの子どもでも、

    「一人で自立して」
    一連の学習や作業などの活動ができる
    ようにするための方策を、「ワーク
    システム」といいます。

    ワークシステムでは下記のような
    事柄を設定し、わかりやすく伝わる
    ように環境を整えます。

    ①どんな活動(学習や作業)を
     するのか

    ②どのくらいの時間、あるいは量の
     作業や活動をするのか

    ③その課題や活動はいつ終わるのか

    ④終わった後は何をするのか、
     何をしてもよいのか

6.その他の注目したい手法 

 1)モンテッソーリ
  ①モンテッソーリ教育は、医師で
   あり教育家であったマリア・
   モンテッソーリ博士が考案した
   教育法です。

  「子どもには、自分を育てる力が
  備わっている」という「自己教育力」
  の存在がモンテッソーリ教育の前提

  ②モンテッソーリ教育は、教師
   (大人)の価値観で一方的に教え
   込もうとするのではなく、子どもの
   興味や発達段階を正しく理解し、
   子どもが触ってみたい、やって
   みたいと思う環境を適切に用意し、
   その環境と子どもを「提示」などに
   よって結びつけ、子どもの自発的
   活動を促します。

   子どもは、自分で選んだ活動に満足
   いくまで繰り返し取り組みながら 
   様々な能力を獲得していきます。

  ③モンテッソーリ教育では、0歳から
   6歳までの乳幼児期を発達段階の
   特徴から0歳から3歳までの前期と、
   3歳から6歳までの後期に分けて
   考えています

  ④0歳から3歳までの前期は「吸収
   する精神(無意識)」の時期と呼び、
   人生の中でもっとも吸収力が強く、
   その後何年かけても達成できない
   ようなことをいとも簡単に獲得し、
   人間社会に「適応」していく時期
   です。

   子どもの自己教育力を発揮させる
   環境として主に7つの教育環境が
   用意されています。

   ・粗大運動の活動
   ・微細運動の活動
   ・日常生活の練習
   ・言語教育
   ・感覚教育
   ・音楽
   ・美術
   ・粗大運動の活動

  ⑤3歳から6歳まで
   3歳から6歳までの後期は、「意識の
   芽生え」の時期と呼び、前期に
   無意識に吸収したさまざまな事柄を、
   意識的に整理、秩序化していく時期
   です。

   子どもの自己教育力を発揮させる
   環境として主に5つの教育分野が
   用意されています。

   ・日常生活の練習
   ・感覚教育
   ・言語教育
   ・算数教育
   ・文化教育
   ・日常生活の練習

 2)STEAM
  →STEAMとは、Science(科学)、
   Technology(技術)、Engineering
   (ものづくり)、Art(芸術)、
    Mathematics(数学)の5つの
    単語の頭文字を組み合わせた造語

  ①これら5つの領域を重視する教育
   方針を意味します。

   この教育方針の目的は、現実の
   問題を解決に導く力や今までに
   ないものを創造する力を育むこと
   です

   元々はアメリカが、科学技術
   分野での競争力を高めるために
   推進してきた教育方針です

  ②STEAM教育が注目される背景、理由
   
   STEAM教育が注目されている
   背景には、テクノロジーの進展が
   あります。

   具体的には、AIやIoTなどの科学
   技術の発達やスマホ・タブレットと
   いった端末の進化などが挙げられ
   ます。
 
   それによって社会は急速に変化し、
   社会に必要とされる人材も変化して
   います

  ③これからの社会では、科学技術を
   活用するだけでなく、作れる人材が
   必要です。

   科学技術の理解を深めると同時に、
   それらを利用して新しいものを生み
   出す力を養うための教育として、
   STEAM教育は注目されています

  ④文部科学省のSTEAM教育に
   対する方針

   文部科学省は、これからの日本の
   学校現場における教育方針に
   ついての報告書「Society5.0に
   向けた人材育成~社会が変わる、
   学びが変わる~」を2018年6月に
   公開しています

  ⑤文章や情報を正確に読み解き、
   対話する力、科学的に思考、
   吟味し活用する力、価値を見つけ
   出す感性と力、好奇心・探求力
   これらの力を身に着けるための
   思考の基盤をつくるためにSTEAM
   教育を導入すべきとし、文系・
   理系を問わずすべての生徒に学ば
   せる必要があるとしています

  ⑥文部科学省は高等学校時代から
   STEAM教育を導入していく方針で、
   高等学校を学生が社会の変化に
   対応できる能力を身につける場に
   しようと考えています。

   その思考の基盤となるSTEAM
   教育をすべての生徒に学ばせる
   必要があるとしています

  ⑦学習事例
   ・プログラミング学習
    子供向けのプログラミング教室。
    簡単なゲーム等を作ることが
    できるようになる。

    オンライン上のプログラ
    ミング学習
   
   ・ものづくりやワークショップ
    『勉強』という形ではなく、
    ものづくりを通して理数系の
    世界に親しめる

    ロボットを作ることで、高度な
    理数系の知識を得ることができる。

    簡単に組み立てられるブロックを
    使い、ロボットのプログラ
    ミングを学ぶ

    大人にとっては『勉強』『学び』と
    なってしまうことも、子供にとっては
    楽しく遊ぶ中で技術や知識を得る
    機会になる
  
  ⑧社会で求められる感性を身につけ
   られるAI時代に必要な感性は、以前
   とは大きく異なり、

   ・複雑な問題解決力
   ・他者との調整力
   ・人とのマネジメント力
   ・クリティカルな思想
   ・交渉力
   ・傾聴力

   などが必要とされています。

   STEAM教育はこのような感性を
   身につけることができる教育手法
   なので、教科書の内容だけではない
   部分も注目されている。
  
7.まとめ
 1)専門家の領域は専門家に任せる
   →保護者と専門家では役割が違う

 2)行われていることの意味、何に
   つながるかは理解しておく必要が
   ある

   →家で療育と同じことをする
    必要があるか?

 3)どの手法や療育を選ぶにしても、
   将来どう暮らしているのか、
   イメージしながらその時、その時
   選択していく

 4)苦手を克服するではなく、得意を
   見つけ、自信を持ち、何度でも
   チャレンジする力をつけることが
   大事

「わが子の将来に必要になるかも障害年金について」 

〜まだ早いと思わず今から出来ること、知っておくこと~


1. 障害年金とは?

 1)障害によって生活の安定が損なわれないように、日常生活を送る上で困難が

   ある人に支払われる公的年金の総称。

 2)国民年金法、厚生年金保険法等に基づき日本年金機構が運営業務を行って

   いる。


2. 障害年金の種類

 1) 障害基礎年金

  ①障害が原因となった病気やけがについて、初めて医師または歯科医師の

   診療を受けた日(初診日)に、すでに国民年金に加入していた人が受給する

   ことが出来る障害年金。

  ②国民年金に加入前、20歳未満で障害を受け、その状態が続いている人にも

   支給されます。

   →仕組みとしては、20歳になった段階で国民年金に加入したという状態を

    作って、障害年金申請となるようです。


 2) 障害厚生年金

  ①初診日にすでに厚生年金に加入していた人に支給され、障害基礎年金に

    上乗せするものとして給付される報酬比例の年金。

  ②皆さんのお子さんが20歳になって申請する場合は、殆どの場合が障害基礎

    年金を申請することになります。


3. 年金の受給要件

 1)初診日が特定できること(初診日要件)

  ①障害の原因となった病気やけがで初めて医師の診療を受けた日のこと。

    →病気やけがにおいての初診日で、その病院での初診日ではないの

      で注意。

  ②知的障害に関しては先天的な障害とされているので、初診日の証明は

    必要ない。

  ③アスペルガー症候群や自閉症スぺクラム等にもこの例外は拡がりつつ

    あるが、まだ発達障害全般には保障されていない。


 2)年金制度に加入している機関に初診日があること
   (制度加入要件)

  ①初診日に国民年金や厚生年金保険など、年金制度に加入している

    必要がある。

  ②初診日に住所が日本国内にあったならば、初診日に20歳未満、あるいは

    60歳以上65歳未満でも国民年金に加入していたのと同じ扱いになる。

  ③20歳未満は国民年金に加入できないことから、20歳に達した時に障害

    等級に該当していれば加入要件は必要ない。

  ④20歳未満で障害を受け、その状態が続いている人も年金制度の対象。


 3)定められた機関に保険料が納付されている事(保険料納付要件)

 

 4)一定の障害の状態である事

  ①障害等級に該当している必要があり、障害等級とは、障害の状態を分けた

    もので、重いものから1級、2級、3級とされている。

  ②国民年金法施行令では1~2級(障害基礎年金)

  ③厚生年金保険方施行令では1~3級及び3級より軽度の障害状態

   (障害厚生年金)

  ④障害厚生年金には障害手当金があるが、障害基礎年金には障害手当金

   はない。

  ※障害手当金:初診日に厚生年金に加入している場合で、初診日からその

   障害が治った(症状固定)と判断された日の5年以内に請求。

    つまり障害厚生年金3級には該当しないが障害がある場合、一時金として、

   障害厚生年金3級相当の2年分が支給。

  

4.障害認定基準

 「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準 平成28年6月1日改正」を参考に

  認定基準のポイント

 1)発達障害の場合

  ①発達障害とは?

    発達障害とは、自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達

   障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能

   の障害であってその症状が通常低年齢において発現するもの。


  ②障害の認定方法

    発達障害については、たとえ知能指数が高くても社会行動やコミュニ

   ケーション能力の障害により対人関係や意思疎通を円滑に行うことが

   できないために日常生活に著しい制限を受けることに着目して認定を

   行う。

    発達障害とその他認定の対象となる精神疾患が併存しているときは、

   併合(加重)認定の取扱いは行わず、諸症状を総合的に判断して認定。


  ③初診日の取り扱い

    発達障害は通常低年齢で発症する疾患ですが、知的障害を伴わない

   者が発達障害の症状により、始めて受診した日が20歳以降で会った場

   合は、当該受診日を初診日とすることとされている。


   ④各等級に相当すると認められるものの一部例示

              障害の程度                                         障害の状態

      1級          発達障害があり、社会性やコミュニケー

                 ション能力が欠如しており、かつ、著しく

                 不適応な行動がみられるため、日常生活

                 への適応が困難で常時援助を必要とする

                 もの


      2級          発達障害があり、社会性やコミュニケー

                 ション能力が乏しく、かつ、不適応な行動が

                 みられるため、日常生活への適応にあたっ

                 て援助が必要なもの


      3級          発達障害があり、社会性やコミュニケー

                 ション能力が不十分で、かつ、社会行動に

                 問題がみられるため、労働に著しい制限を

                 受けるもの

  

   ⑤日常生活能力等の判定

     日常生活能力等の判定に当たっては、身体的機能及び精神的機能 

    を考慮のうえ、社会的な適応性の程度によって判断するよう努めるもの

    とされています。


   ⑥就労している場合の取り扱い

     勤労支援施設や小規模作業所などに参加する者に限らず、雇用契

    約により一般就労をしている者であっても、援助や配慮のもとで労働

    に従事しています。

     労働に従事していることをもって、直ちに日常生活能力が向上したも

    のと捉えず、現に労働に従事している者については、その療養状況を

    考慮するとともに、仕事の種類、内容、従事している期間、就労状況、

    仕事場で受けている援助の内容、他の従業員との意志疎通の状況等

    を十分確認したうえで日常生活能力を判断されます。


    ⑦等級判定のガイドラインについて

     (発達障害に係るガイドライン)

      障害基礎年金の認定に地域によって格差が生じていたことから、障害

     等級判定ガイドラインが作成され、平成28年9月1日以降の等級判定

     審査に適用されています。

     ※この障害の目安は、障害の程度の認定における参考とされますが、目安

      だけでは捉えきれない障害ごとの特性に応じて考慮すべき内容を診断書

      等から審査して、最終的な等級判定が行われることととされています。


 2)知的障害の場合

  ①知的障害とは?

    知的障害とは、知的機能の障害が発達期(おおむね18歳まで)に

   あらわれ、日常生活に持続的な支障が生じているため、何らかの

   特別な援助を必要とする状態にあるものをいいます。


       障害の程度            障害の状態

         1級        知的障害があり、食事や身のまわりの

                  ことを行うのに全面的な援助が必要で

                  あって、かつ、会話による意思の疎通が

                  不可能か著しく困難であるため、日常

                  生活が困難で常時援助を必要とするもの


         2級        知的障害があり、食事や身のまわりの

                  ことなどの基本的な行為を行うのに援助が

                  必要であって、かつ、会話による意思の

                  疎通が簡単なもものに限られるため、日常

                  生活にあたって援助が必要なもの


         3級        知的障害があり、労働が著しい制限を受けるもの

  

    ②知的障害の認定

      知的障害の認定に当たっては、知能指数のみに着眼することなく、

     日常生活のさまざまな場面における援助の必要度を勘案して総合

     的に判断する必要があるとされています。

      また、知的障害とその他認定の対象となる精神疾患が併存している

     ときは、併合(加重)認定の取扱いは行わず、諸症状を総合的に判断

     して認定されます。

  

    ③知的障害の程度と知能指数の目安

            IQ         精神年齢

     最重度   20以下        3歳未満

      問いかけの言葉が理解できない程度。動くことに制限。失禁。常に

     援助が必要。


     重度    21~35        3歳未満

      基本的な欲求を伝えられる言語機能あり。持続的な介護が必要。


     中程度   36~50        5歳~8歳

      身のまわりのこと、運動能力が遅れる。基本的な技能を得るため

     訓練が必要。


     軽度    51~70        7歳~10歳

      食事、洗面、着衣など身のまわりのことはできる。中学レベルの

     勉強に支障がある。自立は可能。

 

    ④日常生活能力等の判定

      日常生活能力等の判定に当たっては、身体的機能及び精神的

     機能を考慮のうえ、社会的な適応性の程度によって判断するよう

     努めるとされています。

     ※知的障害にしろ、発達障害にしろ、手帳の等級判定とは異なる判定

      基準で行われています。


5. 請求手続きの流れ

 1) 障害基礎年金の場合

   ①区役所の国民年金係に相談

   ②申立書、診断書等が渡されますので、診断書はかかりつけの

    医師に年金申請用として渡します。(診断書作成費用がかかります)

    ※ここでポイント
     診断書を書いて貰う際には、先に病歴・就労状況申立書を

     記入し、それを渡して見て貰いながら診断書を書いて貰う。

     →診断書と病歴・就労状況申立書と内容が合っていない

       場合、審査で弾かれることがあります。


   ③全ての書類が整ったら、国民年金係に申請。

    (必要書類)

     ・年金手帳、基礎年金番号通知書

     ・診断書

     ・病歴・就労状況申立書

     ・受診状況等証明書(診断書作成病院と初診の病院が異なる

      場合に必要)

     ・印鑑

     ・住民票

     ・預金通帳(本人名義)

     ・障害者手帳(取得している場合)

     ・所得状況届(20歳前に初診のある方)

     ・戸籍謄本

     ・その他 


   ④ 区から日本年金機構に裁定請求書の送付(申請書等)がされ、審査に

    入ります。→約2~3か月かかります。

   ⑤日本年金機構より、年金支給または不支給の決定通知が来ます。

      ⑥申請した日にさかのぼり、年6回(2月、4月、6月、8月、10月、12月)

               年金支給されます。


6. 受給金額

 障害基礎年金の場合(その年度の経済状況で変動がある)

 1)1級障害の場合

  ①全部支給:975,125円(年間)→月額:81,260円

  ②一部支給:487,563円(年間)

 2)2級障害の場合

  ①全部支給:780,100円(年間)→月額:65,008円

  ②一部支給:390,050円(年間)


7. 働いていたら障害年金はもらえない?

 1)働いて、給与をもらっていたらもらえないわけではなく、所得制限がある。

   平成30年度 所得制限

    ・本人所得が3,604,000円以下は全部支給

    ・3,604,000円を超え、4,621,000円以下は一部支給


8. 障害者手帳の等級と支給は基準が違うの?

 1) 障害者手帳と障害者年金は管轄も異なり支給の基準も異なります

 2) 障害者手帳は持っていないが、障害者年金は受給している方もいます。

   (精神障害の方に多いようです)


9. 地域によって審査の基準が異なる?

 1)国や都道府県ではそういったことはないと見解を出していますが、実例と

   して埼玉県では働いていたら障害年金は出ませんと相談先であるリハビリ

   センターの職員が公言していたり、都内の精神科医も埼玉県では働いて

   いたら出ないので、診断書は出しても無駄と断られたりしています。


 2)障害年金は国の制度ですが、審査は都道府県単位で行うため、実際に

   埼玉県で就労していて、障害年金を申請しましたが却下でした。

   パート社員で最低賃金以下であったにも関わらずです。


 3)こういった問題は各地でみられているようです。東京都では就労して

   いても、要件に合えば障害年金は支給されています。


10. まとめ
 1)今から出来ることとして、最初に障害について相談し、

   受診した病院、医師を記録しておく。


 2)特に治療や医療機関での相談の必要性を感じなくても、

   将来の年金に備え、どこかのタイミングで病院にかかって

   おき、病院のカルテ記録を継続させておく。

   →カルテは5年程度で消去されるようで、特に初診の病院

    から診断書をもらうのにカルテが消えていると、遡りに

    苦労します。


 3) 生育歴を細かく記録して残しておく。3年~5年単位

   必要。


 4) 子供のできないこと、困ることを記載しないといけない
   ため、障害年金を通すためとは言え、申立書に記入して
   いく作業はつらいものです。


 5) 医師の診断書と申立書の内容が合致していないと、通らない

   ことがあります。

   申請前に医師の診断書の内容を確認し、申立書と内容を合致

   させましょう。(できれば事前に申立書を渡す


 6) 病院によっては、ソーシャルワーカーが作成を手伝ってくれる

   病院もあります。

   調べるのは大変ですが、病院選びの基準の一つとして考えても

   いいと思います。


 7) 有料になりますが、年金申請を手伝ってくれる社労士も増えて

   います。 

   20歳時の申請ではほとんどの場合が通ると思いますが、何らかの

   理由で通らなかった場合は、障害年金申請を専門にしている社労

   士に相談するのもひとつです。


 8) 将来お子さんが働いているか、いないかは別として、障害年金は

   将来自分たちの元を巣立つときに生きていく上で必ず必要になって

   くるお金です。

   年々障害年金の支給額も下がっていますが、わが子にとって

   必要な制度として、知識を身につけ、準備をしておきましょう。

「就学前に知っておく、発達検査と病院選び」
   ~検査ってどんなことするの?~


1.発達検査とは?

 1)子供の心身の発達度合いを調べる

   →発達障害の確定診断を行う検査ではない

 2) 発達障害の判断は、生育歴、行動観察、臨床診断、発達検査、知能検査などの専門

   診断の結果で診断される


2.診断検査方式

 1)新版K式発達検査

  ①年齢において一般的と考えられる行動や反応と、対象児者の行動や反応が合

   致するかどうかを評価する検査です。

   検査は、「姿勢・運動」、「認知・適応」、「言語・社会」の3領域について

   評価されます。

   なお、3歳以上では「認知・適応」面、「言語・社会」面の検査に重点が置か

   れます。

   検査結果としては、この3領域の「発達指数」と「発達年齢」が分かります。

   また乳幼児向けの検査用具には、振ると音が鳴るガラガラや積木、ミニカー

   といった乳幼児にとってなじみのある材料が使われています。

   このような検査用具を使うことによって、子どもの自然な行動が観察しやす

   い検査となっています。

   検査者は検査結果だけでなく、言語反応、感情、動作、情緒などの反応も記

   録し、総合的に判断します。

   ■適用年齢: 生後100日後から成人

   ■時間: 約15~60分程度

   ■形式: 1対1(検査者と被検査者)の個別式検査

   ■料金: 公的病院でおおよそ840円(保険診療・3割負担の場合)

 

 2)乳幼児精神発達診断法

  ①乳幼児精神発達診断法は、上記と同様に年齢と発達の度合いの比較を行い、

   実際の年齢とどのくらい差があるかを評価する検査です。

   新版K式発達検査と異なる点は、面接者が保護者に対して子どもの様子を個

   別に面接し、各項目について尋ねることで行われる点です。

   乳幼児精神発達診断法では検査した項目と月年齢を軸にした図である「発達

   プロフィール」を作成します。子どもに直接検査を実施する方法に比べて、

   子どもの状態や障害に左右されることがなく、普段の生活の状況に基づいて

   判断されることになります。

  ■津守・稲毛式乳幼児精神発達診断法

  「運動」「探索」「社会」「生活習慣」「言語」の5領域の438の質問項目から

   構成されています。適用年齢別に「1~12か月まで」「1~3歳まで」「3~7

   歳まで」の3種類の質問紙を用いて検査・面接を行います。なお5領域ごとに

  「発達年齢」が算出されます。

  ・適用年齢: 生後1ヶ月から7歳まで

  ・時間: 約20分程度

  ・形式: 母親など子どもの養育者に個別面接

  ■遠城寺式乳幼児精神発達診断法

  「運動」「社会性」「理解・言語」の3領域6の質問項目から構成されていま

   す。0歳0ヶ月から検査を受けることができます。

  ・適用年齢: 0歳0ヶ月~4歳8ヶ月まで

  ・時間: 約15分程度

  ・形式: 母親など子どもの養育者に個別面接

☆その他

 3)日本版Bayley‐Ⅲ乳幼児発達検査

 4)ASQ‐3

 5)KIDS乳幼児発達スケール

 6)プラセルトン新生児行動評価法

 7)日本版デンバー式発達スクリーニング検査


3.発達検査からわかること

 1)発達検査の検査結果から子どもの発達の度合いが示された「発達プロフィー

  ル」と「発達年齢」「発達指数」などの数値結果を知ることができます。

『事例』

ADHD(注意欠陥・多動性障害)と診断された3歳2カ月の女の子の検査結果の例

(1)「姿勢・運動領域」  発達指数:96(発達年齢:3歳1ヶ月)

(2)「認知・適応領域」  発達指数:101(発達年齢:3歳3ヶ月)

(3)「言語・社会領域」  発達指数:75(発達年齢:2歳5ヶ月)

(4)「全領域」      発達指数:88(発達年齢:2歳10ヶ月)

  結果は、検査時点での発達状況を換算した『発達年齢』と、生活年齢と『発達

 年齢』との比率である『発達指数』で表されます。

  『発達指数』は、その年齢の平均を100で表されますが、実際にはある程度幅

 があるそうです。


4.具体的な接し方などを教えてくれる「検査報告書」

 1)「検査報告書」を依頼すると

  ①検査結果の数値

  ②検査結果からいえること

  ③日常生活上配慮していただきたいこと 

   などが記載された報告書を作成してもらえます。

   

   無料で「検査報告書」を発行してくれる機関もありますが、有料で発行して

  いる機関もあります。検査形態や「検査報告書」の費用は機関によって異なり

  ますので、詳しくは受診する病院への問い合わせが必要です。

 2)「検査報告書」で具体的な記述例

  ①「数値結果」欄は「発達年齢」や「発達指数」の数値が記載されています。  ②「検査結果から言えること」欄では、発達の遅れの度合いや理由が下記のよ   うに詳しく記載されています。

『事例』

 検査者が言った数字を同じ順番で繰り返す課題では、1つの数字を繰り返すことが限界である様子が見られています。

 このように、相手からことばのみで働きかけられる状況では、検査者のことばに注目を向けること自体が難しい、または「何が求められているのか」がわからないと考えられます。

 「日常生活上配慮していただきたいこと」欄も、下記のように記載されています。

 大人が見ている物に(次女)さんの注目を向けて貰うのではなく、(次女)さん自身が”今・現在””その時に”目にしているものや耳にしているもの、手に取っているものなどに対して、「◯◯があったね」「◯◯と聞こえるね」というように要点をまとめた簡潔なことばをつけていく。

 このように、大人に関心を合わせてもらうのではなく、(次女)さん自身が関心を向けている物に大人が寄り添い、ことばをかけていくことで(次女)さんにとって、把握しやすく、覚えやすい状況となるよう意識していく。

 といった記載がされています。


5.発達検査と知能検査の違い

 1)発達検査は心理検査の一つ

  ①乳児を対象とすることが可能

  ②被検査者の精神年齢を示す発達年齢と、認知面・社会性・運動面などのいく

   つかの観点から発達の度合いである発達指数を調べる。

   →年齢と発達年齢の差がどのくらいあるのかを計測

 2)知能検査との違いは適用年齢

  ①知能検査は、知能を精神年齢、IQ(知能指数)、知能偏差値によって測定す

   るための検査

  ②代表的な知能検査として、ウェクスラー知能検査、田中ビネー知能検査、

   K-ABC知能検査など

  ③2~3歳以上が適用

  ④知能検査は物事の理解や課題解決といった認知能力を中心に評価

   →子供の知能がどのくらいあるかの計測

  ⑤IQの値の範囲は測定の手段によって異なりますが、一般的に平均値を100と

   して比較可能な分類がされる

   ・130以上:極めて優秀

   ・120-129:優秀

   ・110-119:平均の上

   ・90-109:平均

   ・80-89:平均の下

   ・70-79:境界線級/ボーダーライン

   ・70未満:知的障害

  ⑥個別式知能検査と集団式知能検査

   ・個別式知能検査

    →受検者と検査者の一対一で行う検査です。

     現在使われている検査の多くがこの個別式知能検査です。

   ・集団式知能検査

     「団体式知能検査」とも言います。学校などでたくさんの人を検査する

    ための筆記式検査です。

     集団式知能検査を受けた後、知能や発達に問題が見つかった場合は、続

    けて個別式検査を受けることでよりきめ細やかに調べることができます。

     おもに小学校就学時に就学時健康診断で行われる集団式知能検査に、     

    「就学時知能検査」があります(「就学時検査」とも言います)。

     就学時知能検査は子どもが就学する際に健康診断とともに一斉に行わ

    れる知能検査であり、年齢を基準としての発達の遅れや偏りを把握する手

    段の一つとしても使われます。

     文部科学省による学校保健法では、就学時知能検査の技術的基準につい

    て、以下のように定められています。

     知能については、標準化された知能検査法以外の方法によることも可能

    であることから、検査法を限定せずに、適切な方法であればよい。

     なお適切な方法としては医師等の専門家による面接や行動観察があげら

    れる。

  ⑦知能検査には、言語を用いる検査「A式」と、言語ではなく数字や図形など

   を用いる検査「B式」があります。「A式」と「B式」どちらも取り入れた検

   査「AB式」もあります。

 3)発達検査と知能検査一緒に受けることがある

  ①発達の遅れと知能の遅れの両方が疑われている場合

  ②子どもの発達を多角的に捉えるため

  ③医師による発達障害の確定診断を行う際の参考情報

   ④その人に合った支援や学習指導の方向性のヒントを得ることを目的

 ※ 子どもに発達障害がある場合は、乳幼児期からその兆候となるような特徴が表

  出することが多いです。

   しかし、発達初期の乳幼児の発達状態を、通常の知能検査によってとらえる

  ことは困難だと考えられています。

   なぜならば乳幼児は心理的、身体・運動的、社会的側面の発達が十分でない

  ため、知能のみを検査によって測定することは難しいからです。


6.相談窓口

 【子どもの場合】

  ・保健センター

  ・子育て支援センター

  ・児童相談所

  ・発達障害者支援センター など

 【大人の場合】

  ・発達障害者支援センター

  ・障害者就業・生活支援センター

  ・相談支援事業所 など


7. 発達検査の受検方法・費用

 1)発達検査や知能検査は、公的病院や民間病院で受けることができます

 2)「児童発達支援センター」などで受けることもできます

 3)発達検査の受け方、費用は、検査内容や病院によって異なります


8.検査や診断で用いられる用語の違い

 1)知的障害

  ①知的障害の診断は医療機関や地域によって異なる。

  ②一般的に知的障害は「知的機能」と「適応機能」の評価で「軽度」「中度」

   「重度」「最重度」の4つの等級に分類されます。

  ・軽度知的障害

  →軽度知的障害は、おおむねIQが50~70の知的障害をさします。

   食事や衣服着脱、排せつなどの日常生活スキルには支障がありません。

   しかし言語の発達がゆっくりで、18歳以上でも小学生レベルの学力にとどま

   ることが多いです。

  (特徴)

   ・清潔、服の着脱を含めた基本的な生活習慣が確立している

   ・簡単な文章での意思表示や理解が可能

   ・漢字の習得が困難

   ・集団参加や友達との交流は可能

    などが挙げられます。

 ・中度知的障害

  →中度知的障害は、おおむねIQが35~50の知的障害をさします。

   言語発達や運動能力の遅れがあります。 身辺自立は部分的にはできますが、

   全てをこなすことは困難です。

  (特徴)

   ・指示があれば衣服の着脱はできるが、場合に合わせた選択・調整が困難

   ・入浴時、自分で身体を洗えるが、プライベートゾーンなど洗い残しがある

   ・お釣りの計算が苦手

   ・新しい場所での移動・交通機関の利用は困難

   ・ひらがなでの読み書きはある程度可能

    などが挙げられます。

 ・重度知的障害

  →重度知的障害は、おおむねIQが20~35の知的障害をさします。

   言語・運動機能の発達が遅く、学習面ではひらがなの読み書き程度に留まり

   ます。

 ・最重度知的障害

  →最重度知的障害は、おおむねIQが20以下の知的障害をさします。

   言葉が発達することはなく、叫び声を出す程度にとどまることがほとんどで

   す。

 2)自閉症

  ①自閉症(Autism)は先天的な発達障害の一つで、社会性と対人関係の障害、コ

   ミュニケーションや言葉の発達の遅れ、行動や興味の偏りの3つの特徴が発達

   段階で現れると言われています。

  ②文部科学省によると、自閉症は以下のように定義されています。

   自閉症とは、3歳位までに現れ、①他人との社会的関係の形成の困難さ、②言

   葉の発達の遅れ、③興味や関心が狭く特定のものにこだわることを特徴とす

   る行動の障害であり、中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると推

   定される。

    広汎性発達障害のうち、知能指数が高い(IQ70以上)高機能自閉症の場合

  は「アスペルガー症候群」、知能指数が低い(IQ70以下)の場合は「カナー症

  候群」にあてはまります。自閉症の分類は分かりにくいですが、以下の図がわ

  かりやすいので参考にしてください。

   ※2013年に出版されたアメリカ精神医学会の『DSM-5』ではそれまでの診断

    基準であるアメリカ精神医学会の『DSM-Ⅳ-TR』における広汎性発達障害

    の分類に変更点がありました。

    変更点としては、広汎性発達障害のサブカテゴリーである自閉症やアスペ

    ルガー症候群が廃止され、レット障害を除くすべての障害名が自閉スペク

    トラム症/自閉症スペクトラム障害(略称ASD)に含まれるようになりまし    

    た。

    これらは本質的には同じ1つの障害単位であると考えられており、症状の強

   さに従っていくつかの診断名に分類されます

    このようなことから、2013年以前に自閉症やアスペルガー症候群に分類さ

   れた症状は、現在では自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害という診

   断名に分類されるようになりました。

 3)高機能自閉症

  ①高機能自閉症(HFA)とは、他者との社会的関係の困難さ、言語発達の遅 

   れ、限定的・反復的な興味やこだわりがあり、知的発達の遅れを伴わない障

   害です。

  ②言語発達の遅れがあるかどうかは、2歳までに単語を習得しているかどうか、

   3歳までにコミュニケーション的な語句を用いているかどうかが基準になりま

   す。

   また、知的発達の遅れを伴わないとは、IQ70~IQ95以上など様々な基準があ

   りますが、概ねIQ70以上である場合を示します。

  ③アスペルガー症候群は知能・言語の発達に障害がありません。

   一方の高機能自閉症は知的発達における遅れや障害はありませんが、言語発

   達において遅れがあります。

   この症状の違いが臨床的な診断の際に用いられてきました。

  ④近年の研究によって、2~3歳頃にみられた高機能自閉症とアスペルガー症候

   群の言語能力の差は、時間の経過とともに縮まっていくことが分かりまし

   た。

  ⑤高機能自閉症は年齢を重ねて言語が身に付き始めると、アスペルガー症候群

   と変わらない特徴や症状がみられることが分かりました。

   →以上のことから近年、両者はあまり区別しないで扱われることが多くなっ    てきました。

 4)アスペルガー症候群(AS)

  ①アスペルガー症候群(AS)は対人コミュニケーション能力や社会性、想像力

   に障害があり、対人関係がうまくいきづらい障害で、知的障害や言葉の発達

   の遅れがないものを言います。

  ②明確な原因は現在もわかっていませんが、何らかの脳機能の障害と考えられ

   ています。

  ③アスペルガー症候群の発生頻度

   →狭い意味でのアスペルガー症候群は約4000人に1人と言われています。

    しかし知的な遅れがなく言葉の流暢な非定型自閉症の人々も含めた広い意

    味での「アスペルガー症候群」の発生頻度は自閉症よりも多いことが知ら

    れています。

    性別では男性に多いですが、女性でも診断につながらずに対人関係の悩み

    を抱えている人々が、これまで考えられていたよりは多いことが分かって

    きています。

  5)広汎性発達障害(PDD)

   ①広汎性発達障害(略称PDD)は、コミュニケーションと社会性に障害があ

    り、限定的・反復的および常同的な行動があることを特徴として分類され

    る発達障害のグループ

   ②このグループには自閉症、アスペルガー症候群のほか、レット障害、小児

    期崩壊性障害、特定不能の広汎性発達障害という5つの障害が含まれていま

    す。

   ③発達障害は大きく分けて「広汎性発達障害(PDD)」「ADHD(注意欠陥・

    多動性障害)」「学習障害(LD)」の3つに分類されます。

   ④ 広汎性発達障害と自閉症スペクトラム障害の違いは定義の区別は難しい

   ⑤広汎性発達障害に分類される障害のほとんどが「自閉症スペクトラム障

     害」という新たな総称に統合された。

   ⑥「自閉症スペクトラム障害」には、自閉症、アスペルガー症候群、小児期

    崩壊性障害、特定不能の広汎性発達障害が含まれています(レット障害は

    除外)。

 6)自閉症スペクトラム障害

   ①自閉症スペクトラム障害(ASD)は、社会的コミュニケーションの困難と限定さ

   れた反復的な行動や興味、活動が表れる障害です。

     ②さらに知的障害や言語障害を伴う場合と伴わない場合があります。

     ③これらの症状は発達段階、年齢や環境などによって大きく変化するといわれ

   ています。

  ④自閉症スペクトラム障害と一言で言っても、生活に支障をきたすほど症状が

   強い方から、症状が軽度で日常生活にほとんど支障なく暮らせる方まで様々

   です。

  ⑤症状の強弱や、知的障害を伴う・伴わないなどによって十人十色の理解やサ

   ポートが必要な障害です。

  ⑥しつけや愛情不足といった親の育て方が直接の原因ではないとわかっていま

   す。

  ⑦自閉症スペクトラム障害は、いくつかの自閉症状のある障害が統合されてで

   きた診断名です。

   これまでアスペルガー症候群、高機能自閉症、早期幼児自閉症、小児自閉

   症、カナー型自閉症など様々な診断カテゴリーで記述されていたものを、

   「自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害」の診断名のもとに統合され   

          ました。

  ⑧「連続体」を意味する「スペクトラム」という言葉を用いて障害と障害の間

   に明確な境界線を設けない考え方が採用された。

  ⑨自閉症スペクトラム障害の療育方法

   ■ABA(エービーエー、応用行動分析)

    人間の行動を個人と環境の相互作用の枠組みの中で分析し、問題解決に応

    用していく理論と実践の体系です。自閉症スペクトラム障害に対する療育    

              だけでなく他の障害や教育、福祉、医療、スポーツ分野でも利用されてい    

              ます。 

   ■TEACCH(ティーチ)

    米国ノースカロライナ州で生まれた、自閉症スペクトラム障害の当事者と    

              その家族を障害支援する総合的なプログラムです。

   ■PECS(ペックス)

    絵カードを使ったコミュニケーション援助プログラムです。上記のABAの    

              原理に基づいて作成されています。

   ■SST(エスエスティー、ソーシャルスキルトレーニング)

    対人関係をうまく行うための社会生活技能を身につけたり、障害の特性を    

              自分で理解し自己管理をするためのトレーニングの総称です。

         ※自閉症スペクトラム障害がある子どもをもつ家族の支援プログラム

   ■ペアレントトレーニング

    保護者の方々が子どもとのより良いかかわり方を学びながら、日常の子育

    ての困りごとを解消し、楽しく子育てができるよう支援する、保護者向け    

              のプログラムです。

   ■ピア・カウンセリング

    似た立場の親同士の横の関係をつくり、対等な立場から意見や情報を交

       換、正しい行動の選択についてみんなで考え、ペアレントトレーニングの    

              一部に設けられている場合が多いです。

   ■メンタリング

   「ペアレント・メンター」と呼ばれる発達障害がある子どもの子育て経験が    

             ある方が先輩として、初めて発達障害と向き合う親の相談やアドバイスに

    応えています。

  ※ 自閉症スペクトラム障害や合併症の症状を緩和を目的とした薬物療法

   →薬物療法は医師の指示のもと用法や用量を守って服用していかなくてはい

    けません。

    薬に頼り切って多用するのは避けましょう。

    薬の服用により特徴が緩和されている時には療育や教育の効果も上がりや

    すくなるとも言われています。

    以下が使われることの多い薬です。

   ■非定型抗精神病薬

    自閉症スペクトラム障害によってみられる攻撃性、興奮、自傷およびチッ

    ク(身体が勝手に動くこと)に使用されます。ただし、保険適応外使用に

    なります。

   ■SSRI、SNRI、三環系抗うつ薬

    こだわり行動、うつ、不安障害などに使用されます。

   ■抗不安薬、SSRI、ベンゾジアセピン系

    不安、心身症、抑うつ、睡眠障害、緊張、PTSD(フラッシュバック)に

    使用されます。

   ■ 抗てんかん薬

    気分変調、躁うつ、てんかん発作、イライラなどに使用されます。

   ■抗ヒスタミン薬

    不安、睡眠障害に使用されます。


9.板橋区内で発達障害の診断、相談が受けられる病院

  https://caloo.jp/hospitals/search/13119/d1942

  https://byoinnavi.jp/tokyo/itabashiku/j12

  https://www.syougai.tokyo/itabashi-ku/itabashi-hospital.html

  今回は小茂根の療育センターや北療育センターを利用されている方が

 ほとんどでした。

  うちは電話の予約が取れずに諦めましたが、月1回決まった時間に

 電話をかけまくるなど、ご苦労も多く聞きます。

  OT、PTの指導を受けたいということで、療育センターを選ばれる方が

 多かったようです。


10.まとめ

 1)診断はあくまでもその子の今の発達段階の目安。

   結果に落ち込む事はなく、客観的に他の方に支援をお願いする

   際の分かりやすい指標と考える。

 

 2)検査は年齢にもよりますが、1~2年間隔を空けないと受けられ

   ないので、就学前に合わせてだったり、就学前健診で受けるのが

   いいようです。

 3)検査室の環境や臨床心理士の対応によって、お子さんの検査の

   結果は左右されることが多いようです。

   →本来の力が発揮できないこともある。

 4)地域の医療機関は何よりも口コミが大事。選ぶ際はお友達の受け

   た情報などはとても参考になります。


「障害者差別解消法と合理的配慮について」
 ~学校に行く時どんな配慮をしてもらえる?~

1.障害者差別解消法とは?
 1)平成28年4月より施行

 2)正式名称は「障害を理由とする差別の解消の
   推進に関する法律」

 3)学校教育において求められる事
   ①不当な差別的取扱いの禁止
    →障害のある人に対して、正当な理由なく、
     障害を理由として差別をすることの禁止。
   ②合理的配慮の提供
    →障害手帳の有無や診断の有無に関係なく、
     必要かつ合理的な配慮の提供。

   ※社会的障壁とは?
    →生活を営む上で妨げとなる社会的な
     事物、制度、慣行、制度、観念その
     他いっさいの物を指す。

   ※基礎的環境整備とは?
    →文科省では、別紙の8項目を例示。

 4)法律の対象範囲は?
   ①国の行政機関や地方公共団体は義務
   ②民間事業者は努力義務

 5)企業などが法律に違反した場合の罰則は?
   →直ちに罰則が科されることはない。
    ただし、繰り返し障害のある方の権利
    利益の侵害に当たるような差別が行われ、
    自主的な改善が期待できない場合などには、
    その民間事業者が行う事業を担当している
    大臣が、民間事業者に対して報告を求める
    ことができることにしており、この求めに
    対して、虚偽の報告をしたり、報告を怠っ
    たりしたような場合には、罰則(20万円
    以下の過料)の対象になります。

……………………………………………………………………

2.合理的配慮とは?
 1)障害のある子供が他の子供と共に教育を受ける
   ために、学校が提供する個別の変更・調整を指す。
   →つまづきのある子供に個別の配慮や支援を提供
            ↓
   視力の悪い人がメガネをかけるように、
   子供たちが学校で学びやすくするための工夫

 2)合理的配慮の進め方
   ①本人または保護者からの相談
            ↓
   ②本人側と学校・地域との話し合い
            ↓
   ③お互いに合意した配慮の実施
            ↓
   ④配慮についての見直し・改善
    →成長や実施してみての状況に応じ、
     常に同じものが提供ではない。

 3)誰に相談するのか?
   →担任の先生、特別支援教育コーディネーター、
    スクールカウンセラーなど
            ↓
    配慮の内容や方法が難しい場合は、学年
    主任や教頭・校長先生など管理職にも相談。

 4)配慮を受けるために必要な物は?
   →客観的な判断材料
    ①医師の意見書
    ②療育機関担当者の意見書
    ③心理検査・読み書きテスト結果等
           ↓
     児童発達支援事業所を利用していると、
     就学に向けての評価表や配慮事項、場所に
     よっては学校との調整をしてくれるところも
     あります。

5)どうやって決まる?
  →家庭、学校で相談した結果、双方の合意
   が得られた内容を実施。
           ↓
   内容は個別教育支援計画などに落とし込む。

  ※個別教育支援計画(文科省より)
   →障害のある生徒のニーズを把握し、教育の
    視点から適切に対応していくという考えの下、
    長期的な視点で乳幼児期から学校卒業後までを
    通じて一貫して的確な教育的支援を行うことを
    目的。
           ↓ 
    教育のみならず、福祉、医療、労働等の様々な
    側面からの取組が必要であり、関係機関、関係
    部局の密接な連携協力を確保することが不可欠。

 6)どんな配慮でも全て提供されるか?
   ①学校などに対して体制面や財政面で過度な
    負担を課さないものとされている。
    →大きな費用や人手、設備など学校に
     とって負担の大きい配慮は実施が難しい
     場合がある。
            ↓
     学校の状況や負担も考慮しながら、
     実現可能な配慮、工夫を見つけ出す。

 7)合意的配慮提供に際して、本人(保護者)と
   学校の意見が合わない場合は?
   →クラス単位では実施が難しい内容は校内の
    共通理解が必要な場合もあり、管理職や
    特別支援教育コーディネーターの同席も依頼。
            ↓
    合意形成が難しい場合は、板橋区では教育
    委員会教育総務課に調整の窓口がある。

……………………………………………………………………

3.合意的配慮の実践例
 1)板橋区の資料より
http://www.city.itabashi.tokyo.jp/c_kurashi/091/091025.html

 2)千葉県の資料より
https://www.pref.chiba.lg.jp/kyouiku/shien/tokubetsushien/gouritekihairyojireishuu.html

 →各自治体において、実践例のボリューム、内容は
  異なるが、実践例を数多く知っておくことで、
  保護者もわが子の配慮事項の具体例を挙げやすく
  なる。
            ↓
  教育機関も他地域で実践例が既にある場合は取り
  入れやすくなる。

 3)各児童発達支援事業所での実践例
  →わが子に特化したこれまでの成功例、実践例は
   児童発達支援事業所を利用していると客観的、
   専門的な視点での実践例が出されます。
   
   利用している方は、就学前に相談してみると
   いいでしょう。

   就学後については、放課後等デイサービスや
   相談支援事業所がその役割を担いますが、
   現状、児童発達支援事業所に比べ、専門性で
   ばらつきがあり、期待できるかは場所によるのが
   現状です。

……………………………………………………………………

4.まとめ
 1)合意的配慮は学校などに一方的に求める
   物ではない。
   →保護者も生徒数やクラスの現状などを把握
    しながら、どこが落としどころになるのかを
    事前に推測し、何パターンか選択肢を持って
    おく。
            ↓
    パターンを持っておく、落としどころを推測
    するには、合意的配慮の実践例をいかにたく
    さん知っておくかが鍵。

 2)周りから不公平と思われないか?
   配慮で子供が甘えてしまわないか?
   →合理的配慮は過剰な保護や気づかいではない。
    苦手な事、困りごとに対するサポートは、障害
    あるなしに関係なく、一人一人にとって必要
    な事。
            ↓
    子供が自分の力を発揮しやすくするための適度
    なサポート。

   ※保護者だけの視点ではこの配慮が子供に
    とって、厳しくみたり、甘くみたりしがち。
            ↓
    専門的な機関の視点、評価が必要。

 3)将来を見据え、子供の成長段階を適切に見極め
   ながら、合理的配慮を変えていき、自立に導いて
   いく。
   →自立=全て自分で行う事ではない。
    自分にとって出来る事、支援が必要な事を
    見極め、相手に伝えることが自立。

  ※必要なサポートを上手に使える力。

 4)就学前、就学後も是非保護者が知識を入れる
   準備を。
   →子供にとっての身近な支援者=保護者。
    客観的な視点、豊富な知識、情報を持つこと  
    で、お子さんにとってはそれこそが強力な
    支援になる。
           ↓
    専門的な知識だけでなく、地域の情報、
    ネットワークも大事な知識になる。

「フリースクールってどんなところ?」
       ~実際に見に行ってみました~

1.そもそもフリースクールってどんなところ?

1)文科省ではフリースクールをこのように定義しています。            ↓

  「フリースクール(フリースペース)とは、不登校の子供を受け入れることを主な

   目的とする団体、施設を指す」

2)施設運営は、個人、民間企業、NPO法人等が運営している。

 →様々な規模、形態のフリースクールがある。

3)フリースクールの特徴

 ・入学資格を設けていないこと

 ・異なる年齢・年代の子供が集まっている

 ・決まったプログラム、カリキュラムを持っていないこと等


2.フリースクールは出席日数に認定される?

  1)1992年より小中学校、2009年より高等学校も出席認定に認められてきている。

  2)在籍校の出席扱いとするかは在籍校の校長判断に委ねられる。

    →指導要録の出席日数扱いにはなる。(施設外学習として)

     通知表(内申書)の出席人数扱いにならないことはある。


3.フリースクールの費用は?

  1)授業料月額は文科省調査では、平均約33,000円

  2)入会金は平均約53,000円


4.卒業後の進路、学歴は?

  1)在籍校の校長による許可が出れば、出席日数として承認される場合もあり、

    義務教育上の小中学校の卒業資格を得ることが出来ます。

  2)高校については、高校卒業認定試験や通信制、定時制高校などを併用して、

    取得が出来る。


5.都内のフリースクール数の状況(別紙参照)


6.板橋区のフリースクールを実際見学してみて

 1)レインボー熊野町

   ①放課後等デイサービスの制度利用したフリースクール型放課後等デイサービス。

   ②10:30~14:00の午前枠、と14:00~以降の午後枠と分かれていて、

    両方の枠を合わせて1日定員10名。

   ③平日午前から開けている放課後等デイは都内でも少なく、午前枠は定員3~4名。

   ④送迎は新規利用からは受けていない。ドライバーの確保も難しく、

    今後は自分で通うもしくは自主送迎の方向に。

   ⑤出席日数のカウントには校長判断でなっている子もいるし、なっていない子も

    いる。

   ⑥カリキュラムは希望があればレインボーで用意することもあるし、

    自分で教材を持って来て勉強する子もいる。

   ⑦待機は現在10名くらい。希望曜日、緊急性で順番が早まったり、遅くなったり

    することもある。

   ⑧相談支援専門員は付いているほうがいい。

     →なじみの相談員からの相談で利用につながりやすくなることある。

   ⑨次の店舗展開としては、放課後等デイではないが、レインボー+という

    自費型の施設をオープン。

    →放課後等デイは制度基準が厳しくなり、自費型にした経緯も。

   ⑩とにかく預かってくれればいいという保護者も意外といる。

    →学校に戻るのがそういった理由で難しくなることも。

   ⑪利用は秋ぐらいに見学相談、2~3月くらいに再度連絡し、空き状況などを

    確認するのが良いそう。

   ⑫3~4名の児童にスタッフが時間帯に寄るが、マンツーマンに近い形になる

    こともある。

   ⑬児童の生き生きとした姿が印象的。不登校で学校に通えないとは思えないくらい、

    自分の居場所として過ごしていた。

  

  2)板橋フレンドセンター 

   ①区の教育支援センターが運営している中学校跡地を利用した施設。

   ②費用は無料。給食は無くお弁当持参。

   ③グランドでの外活動や隣の地域センターの体育館を利用した活動もある。

   ④朝9時~午後5時までの月~金の利用。

    →1日1時間、週1回でもいい。

   ⑤以前は学校に戻る事を主目的にしていたが、昨年より居場所機能としての側面を

    強めた。

   ⑥利用は小学校4年生から中学校3年生まで。

    →小学生は5~6名で中学生が多い。

   ⑦現在登録が40名程度で1日の利用は20名程度。

   ⑧朝から時間割があるが、それに乗らなくても良い。

   ⑨スタッフは元校長先生などもいて、以前は6~7名だったが昨年より増え、13名

    程度スタッフが居る。

   ⑩毎週水曜日臨床心理士が来て、カウンセリングもしている。

   ⑪夏休みの時期も自主学習スペースとして開放している。

   ⑫学習スペースは衝立がついて、自主学習がしやすい配慮、スタッフがそこに個別で

    つくなどの配慮がある。

   ⑬集団が苦手な子は別室での勉強スペースもあり、そこにスタッフも付く。

   ⑭自由な過ごし方なのでトラブルが多いかと思いきや意外と少ないそう。

   ⑮区の教育委員会が関わっているため、就学相談のリンクもしている。

   ⑯利用は見学、面談後登録し、学校長の認めをもらい申し込みして利用となる。

   ⑰利用した日数は在籍校の出席日数に加算することが出来る。

   ⑱元学校を利用していることもあり、学校に戻るイメージがしやすい一方、

    学校環境が全くだめな子は拒否反応が強いかも。

   ⑲知的障害があり、特別支援学級等の固定級に通っている児童は利用できない。

    →特別支援教室、通級利用児童は可。

   ⑳実際利用についての見学ではないため、生徒さんが居ない時間での施設見学でし

    たが、居場所機能が強くなったこと、費用負担が少ない事、学び方の環境や区、学

    校との連携については教育センター運営とあって、強味だなと感じました。

 

  3)フリースクール@なります

   ①成増幼稚園近くの民家を利用したフリースクール。

   ②個別指導で個々のやりやすいやり方や苦手な事をどうサポートするのが

    いいのかを主眼に置いている。

   ③発達障害の診断が出ている子、出ていないがグレーゾーンな子の利用も多い。

   ④現在生徒は2名。小学校高学年と中学生。

   ⑤以前は最大8名まで利用していて、高校生も来ていた。

   ⑥スタッフは精神保健福祉士を持ち、基本1人でやっているが、生徒が多い時期は

    ボランティアスタッフも頼んでいる。

   ⑦ほぼ指導要録の出席日数扱いにはなっているが校長次第。

   ⑧田舎の実家に来たような雰囲気で、庭には畑もあり、収穫したり、調理したりも

    ある。

   ⑨通信高校を利用した際のサポート校的な役割もしている。

   ⑩スタッフの方はフリースクールからの進学や通院校などの知識を豊富に

    持たれていて、義務教育ではない高校進学の選択肢を増やす相談に乗って

    もらえる印象を受けました。

   ⑪通学コースと通えない子への在宅コースも行っている。


7.実際にフリースクールを見学して見て

  1)様々な形態、強味を持って行われていることに驚きました。

  2)区内としては選択肢は少ないですが、近隣区まで範囲を広げれば、様々な

    学び方、場所がある安心感を得ました。

  3)学校で学ぶことが全てではなく、発達に障害があった場合、その子に合った

    いま必要な学習や環境は何か?というアプローチでフリースクールをとらえる

    ことは、むしろ障害のある子たちには合っているのでは?と感じました。

  4)発達障害ある子の学び=フリースクールと言う選択肢に行きつく子はまだまだ

    少ないようです。行政に相談した際もフリースクールにという紹介は無く、

    最後に行きつく方も多いようです。

  5)保護者としては、学校の出席日数扱いになるのか?は気になるところですが、

    現状は学校長判断で出席日数カウントになるかならないかに関係なく、

    義務教育は卒業出来てしまうようです。

  6)学校になじめない、うまく行かないときの選択肢とて、保護者が既に知識として

    持っているか持っていないかは大きな差が出ると感じました。

  7)フリースクール=不登校児のイメージを外し、自分の子が学ぶ環境して有効活用

    できるのか出来ないのか、発達に有効かどうかで見ることが大事なようです。

  8)フリースクールは様々なやり方や環境なので、将来につながるのか?大丈夫なの

    か?と思うこともあるとあると思いますが、見た目の側面だけでなく、必要なら

    チャレンジすることが大事だと感じます。

「放課後等デイサービスってどんなところ?」

~就学後の障害サービスについて学ぼう~


※今回も就学に関わる知識と行くことで、6名の方が参加されました。

 放課後等デイサービスという比較的新しいサービスが何をしているのか?

 うちの子に必要なのか?など、この先の選択肢の一つとして、知っておくことが

 とても重要です。

 その上で選ぶにあたり、板橋区やここ最近の現状、実際に見学しての様子などを

 お話しました。


1.放課後等デイサービスとは

 1)障害のある就学児童が学校授業終了後や長期休暇中(夏休み、冬休み、開校記念日

   等)に通うことのできる施設です。

 2)定員は1日10名以上

  →10名以上になると単価が下がるため、ほとんどの所が10名定員。

 3)2012年に児童福祉法が改正され、新たな施設として設置されました。

  →それまでは障害種別ごとに施設が分かれていたが、改正を機に年齢、目的別に

   児童発達支援、医療型児童発達支援、放課後等訪問支援、保育所等訪問支援へと

   再編成されています。

 4)改正に伴い、不足していた障害児施設を増やすため、開設にあたり大幅な規制

   緩和がされました。

 5)これにより保護者が複数の施設を選択、比べながら選べるようになった。

 6)利用は原則就学児童、幼稚園大学を除く6歳から18歳まで。

  →特例で20歳まで利用できる場合もある。


2.児童発達支援事業所との違い

 1)児童発達支援事業所は、未就学児が対象。

 2)私見も交えて言うと、より療育や障害の課題改善、成長促進に特化した

   プログラムや専門性のあるスタッフ、経験者が多い。


3.学童、放課後こども広場との違い

 1)障害児を対象にしている学童もあるが、これらは障害があるなしに関わらず利用

   できる制度。


4.プログラムについて

 1)事業所によって特色が異なるが、大きく分けると3つ。

  ①習い事系

   →ダンスなどの運動や楽器、書道、絵画など言ったプログラムを中心に行っている

  ②学童保育系

   →特にこれを特色と決めておらず、自由に過ごす、宿題をするなど、預かり要素が

    強い。

                     ↓

    現状こういった放課後等デイサービスが多い。

  ③療育系

   →ソーシャルスキルトレーニング(SST)、ABA、Teachプログラムと言った、児童発達

    支援事業所でも行っているような、障害児童に向けた専門プログラムを中心に行っ

    ている。

 

 2)プログラム例

  ①料理や掃除、計算や書き取りと言った、日常生活に則した訓練をする。

   →就労に向けたプログラムを行うところもある。

  ②地域交流や外出による社会科見学を行うところもある。


5.放課後等デイサービスの人材について

 1)管理者1名(兼務している場合有り)

 2)児童発達管理責任者1名(兼務有り)

   →児童や障害の支援経験5年以上で、専門の研修を受けている。

 3)指導員2名以上

   →資格は保育士もしくは児童指導員資格者が1名以上、障害支援経験2年以上

    が1名。


6.送迎ありなし

 1)送迎を行うところと行わないところがある。

 2)学校前から、自宅前まで、バスポイントまでと事業所によって様々。

 3)送迎範囲は狭めに限定しているところも多い。


7.利用について

 1)障害手帳はなくても、医師や専門家の意見書等で申請し、受給者証が発行されること

   で、サービスを利用することが出来る。

 2)回数は放課後等デイサービスの空き状況や保護者の意向、家庭環境等で受給日数が

   決まる。→必ずしも毎日使えるとは限らない。

 3)受給者証申請にあたり、相談支援専門員作成によるサービス利用計画の提出か、

   保護者が作成するセルフプランが必要。

   →板橋区では放課後等デイサービスだけを利用の場合、児童を扱う相談支援事業

    所が少ない事もあり、セルフプランで通る事も多い。

 4)事業所によっては、おやつ代、食事代がかかる場合もある。

 5)費用は原則1割負担だが、前年度年間所得で支払いに上限がある。


8.都内の昨今の状況

 1)民間参入が活発になり、元々学習塾や高齢者介護から、福祉に関連のない企業も

   参入している。

 2)総量規制

  ①民間参入に伴い、苦情が相次ぐ、指定を満たしていない、預かりだけで365日開ける、

   テレビを見せておくだけなどと言った事業所も増え、質の低下を防ぐため、開設に

   あたり制限をかけるようになった。

  ②結果各市区町村の公募制で、開業したくても、出来ない状況になった。

   →ここ最近はやや緩和され、新たに出来始めている。

 3)選べない

  ①総量規制の結果、空きがない施設が増えた。

   →18歳まで利用できるので、卒業まで空かないことが多い。

                ↓

    結果回数や曜日、内容での複数選択できない。

 4)30年度より制度改正で時間による単価設定や区分制度が出来、運営がしづらく

   なった。

 5)人員基準が見直された。

   →以前は福祉未経験者、無資格者も働けた。

 6)結果、人員確保、運営維持できず、廃業する事業所も増えている。


9.板橋区の現状

 1)現在放課後等デイは28ヶ所ある。

 2)他区に比べ、高齢者介護から派生した事業所が多い→相談支援事業所も同様。

 3)フリースクール型、就労準備型など、他区にない形態もある。

 4)自立支援協議会とは別に放課後等デイの事業者連絡会がある。

 5)28か所すべての児童が週2回ずつ利用したとして、計算しても全障害児童が

   840名の計算になる。

   →6~18歳の障害児童が週2回利用でもこの人数の中に納まっているのか?

               ↓

    希望の利用回数利用はおろか、選ぶ、1回でも利用する事さえできないの

    ではないか。


10.まとめ

 1)空きは年度変わりにしか出ない。

 2)都内は全体的に空きが少ない。

 3)送迎のありなしを考える。

   →それぞれの家庭で本当に送迎が必要か、子供の成長やスキルを踏まえ、送迎を

    考える必要がある。

 4)板橋区は学校から放課後等デイサービスへの付き添いで移動支援は使えない。

   →区によっては使えるところもある。

 5)母体会社、併設サービスも知っておく。

   →会社の方針やサービスの方向性がそれだけでも見えてくる。

 6)特色で選ぶ。

   →自分の子に何が合うか、何が必要か、放課後等デイに何を求めるかの基準を

    持っておく。

           ↓

    児童発達支援を利用していたら、今後どんなプログラムで何を伸ばしたら

    いいかを相談してみては?

 7)自費サービスも検討

   →経済的負担も大きくなるが、公的サービスで選べない、満足出来ないのであれば

    選択肢の一つとして知っておく必要がある。

    ①発達障害向け学習塾

    ②家庭教師

    ③一般の習い事(障害に合わせてくれるところを探す)等々

 8)将来を見据え成長に必要なものは何かを考える。

   →成人で発達障害をお持ちの方の事例や働き方を知り、早い時期から少しずつ

    ゆっくりな成長に合わせ準備を進める。

 9)制度があるから使わないともったいないではなく、必要なものは何かで考える。

   →必ず使うことが全てではないし、複数の事を詰め込むことが成長に繋がるとは

    限らない。

 10)数は少ないが、預かり機能を持つ日中一時支援と言う事業もある。

「学校について知る」
〜様々な学校の体系とサポート体制について〜

 今回の勉強会には、最多の6名ご参加いただきました。
それだけ皆さんの関心の高いテーマだということが伺えました。

 資料については、私も知らないことが多く、LITALICOさんのサイトなどから、丸々コピーした部分もあり、ホームページに上げるにははばかられるため、ポイントを抜粋して掲載します。

1.特別支援教室(東京都)
 1)文部科学省では特別支援教室構想を挙げ、現在23区では全ての区に導入されています。

 2)特徴としては、後述する通級指導教室と大きく違う点として、所属している小学校に拠点校と呼ばれる学校から、巡回指導員が来てくれることです。

 3)これのよって、指導を受ける時間だけ他の学校に行く必要がなくなり、児童、保護者とも負担が少なくなるようです。

 4)対象は知的障害のない、発達障害または情緒障害であり、通常の学級での学習に概ね参加できることとあります。

 5)巡回指導教員が担任と蜜に連携を取る役割もあるようです。

 6)都では中学校は平成30年以降、準備の整った市区町村から順次導入。

 7)平成33年までに全ての市区町村に特別支援教室がせっちされるそうです。

2.通級指導教室
 1)小中学校に通う比較的障害が軽度なお子さんが、通常の学級に在籍しながら、障害特性に合った個別指導を受けるための教室です。

 2)各教科の学習や給食の時間はクラスのみんなと一緒に過ごし、週に何時間かある通級による指導の時間だけ、通級指導教室に移動します。

 3)障害の種類によって、教室の種類も分かれています。

 4)在籍する学校にその子に合った通級が設置されていない場合もある。

 5)通級の指導時間は年間35単位(週1単位)から年間280単位(週8単位)までが標準。
→小学校の1単位が45分でつまり、年間35単位だと約26時間。

3.特別支援学級
 1)障害のある子一人ひとりに応じた教育を行うため、障害種別ごとに編成された少人数の学級。

 2)特別支援学級を設置している小学校の割合は76.6%、中学校で73.7%。

 3)利用は就学相談を通じて、保護者の意見を尊重しながら決定。

 4)学級の上限定員は8名。

 5)給食や体育、音楽の時間は通常の学級で活動する。

 6)文部科学省報告では、中学校の特別支援学級を卒業した子供のうち、進学する子供の割合は94.1%。うち63.4%が特別支援学校高等部に進学。

4.特別支援学校
 1)心身に障害のある児童、生徒が通う学校で、幼稚部、小学部、中学部、高等部がある。

 2)2007年より、ろう学校、盲学校、養護学校が法改正で全て特別支援学校と一本化になった。

 3)1クラスあたりの生徒数は3名。

 4)特別支援学校の教員は、通常の教員免許に加えて、特別支援学校の教員免許も持っている。

 5)高等部では就職に向けての支援として、様々な職業訓練が行われている。

 6)発達障害のある子供に関して、知的障害の診断がなくても、就学相談の結果によっては特別支援学校への入学は可能。

 7)特別支援学校高等部を卒業しても、通常の高卒資格は得られない。
→ただし大学入学資格等を得ることはできる。

5.板橋区の状況
 1)全ての小学校に特別支援教室を設置。
→名称はSTEPUP教室。

 2)実際に就学相談を終えたお母様からアドバイス
→板橋区より
 通常学級(通級含む)IQ75以上
 特別支援学級IQ50から75未満
 特別支援学校IQ50未満
※田中ビネー検査数値が目安

 ①教育委員会が判定で支援学校及び支援級が適当と判断しても、最終的には保護者の意思決定で通常学級に通うこともできる。

 ②特別支援級判定だったのに特別支援学校に行くことはできない。

 ③放課後等デイサービス探しが大変
→送迎が特別支援学校なら行ってくれるが、特別支援学級だとルート的に送迎出来ないこともある。

 ④年中さんのうちに何校か学校公開、見学等に行くのがおすすめ。

6.就学をサポートする周辺環境
 1)放課後子ども教室事業(文部科学省管轄)
  ①地域の大人の協力を得て、学校等を活用し、計画的に子供達の活動拠点を確保し、体験、交流活動を支援するもの。

  ②板橋区では、学童と一体的に運営した「あいキッズ」という名称で、小学校全校に設置。

  ③在校児全員が対象。板橋区では特別な支援が必要な子供には利用時に面談。要支援児と判定された際は支援として人員配置等することがある。

  ④費用は無料。

 2)放課後児童健全育成事業(厚生労働省管轄)
  ①保護者が労働等により、昼間家庭にいない小学校に就学している児童に対し、授業終了後に小学校の余裕教室や児童館等を利用して、適切な遊び及び生活の場を与えて、健全な育成を図るもの。

  ②学童クラブ、放課後児童クラブ、学童保育所など自治体によって名称は異なるが内容は全て一緒。

  ③板橋区では、A、B、C、S区分があり、それぞれの区分、内容で無料、有料と料金発生がある。

  ④板橋区のように放課後子ども教室事業と放課後児童健全育成事業を一体的に行っている自治体は少ない。

 3)放課後等デイサービス
  ①児童福祉法を根拠とする、障害ある学齢期児童が学校の授業終了後や学校休業日に通う、療育機能、居場所機能を備えた福祉サービス。

  ②板橋区では約30ヶ所。

  ③一方で小学校入学から高等学校卒業まで利用できるため、空きが出にくい。

  ④民間参入により数が増えた一方、ただテレビを見せておくだけなど、質の低下も懸念されている。

7.これから親が出来ること
 1)将来を想定して、この子にとって必要な教育は何かを今から考えることが重要。
→自分達や周囲の子達と同じようにと進めてしまうことが子供たちを苦しめることもある。

 2)進んだ先でもし躓いた時に選べる選択肢の確保と知識を持つ。
→学校だけでなく、地域や仕事など、それぞれの家庭の事情を踏まえながら、今の環境に固執せず、柔軟に対応できるか。

 3)教育や療育って何かといえば、子供をよく知るための手法に過ぎない。
→出来た、出来ないではなく、子供を誰よりも一番よく知るツールであって、そのくらいのことなんだと思うことで、親も気持ちが楽になる。


2019年1月12日㈯勉強会

テーマ
「相談支援専門員ってなに?」
〜相談支援専門員の役割と我が子の成長との関わり〜

 板橋区熊野地域センターにて、第2回目目の勉強会を開催予定でしたが、今回は皆さんご都合がつかず、参加者0でした(ToT)

 今後開催日時やテーマなど、再度練り直さないとと感じていますが、今回は勉強会でお伝えする予定だった情報を掲載していきます(^o^)

 今回は前回の勉強会でも注目が集まった、相談支援専門員についてのお話でした。

 ちょうど私が1月7日から相談支援専門員資格取得の為の研修に行くこともあり、最新の情報がお伝えできるかなと思ってのテーマ設定でした。

 はじめに相談支援専門員って何なんだ?という解説として、制度上の何に位置づいているかですが、障害者総合支援法において、自立支援給付の計画相談支援に位置づけられています。

 資料の図がその関係図ですが、よく見ると児童発達支援事業や放課後等デイサービスの事業がどこにもないですよね?

 児童のサービスは児童福祉法に定められているので、障害者総合支援法のカテゴリーには入っていないんです(^^)

 では何をしてくれる人なのかと言えば、サービスを利用するのにあたり、受給者証を申請する際、どんなサービスが必要かというサービス等利用計画を作成してくれる人です。

 サービス等利用計画というのは、添付にあるような書式で、どんな目標を立てて、達成するためにどんなサービスが必要か、どんな生活を送りたいかなどを明記しています。

 受給者証の申請にあたり必ず必要かといえば、現状そんなことはありません。

 セルフプランという、自分もしくは家族が似たような書式を使って、相談支援専門員がいなくても受給者証を申請することが出来ます。

 では相談支援専門員って別にいらないのでは?と思いますが、そうではありません。

 その他にも行政やサービス利用する事業所、学校などの関係機関との調整や本人、家族の相談役といった役割はセルフプランでは得られません。

 むしろこの部分を相談支援専門員には期待されています。

 必要な支援がな無い場合の支援の創造というのは、地域にほしい支援が無いとき、インフォーマルサービスと言って、公的な支援ではない、ボランティアやサークル、習い事といったサービスを組み合わせたり、調整することで必要な支援を整えることも求められます。

 これは相談支援専門員といえど、かなりレベルが高いスキルで、どこでも誰でもできるとは行かないようです。

 では、板橋区にはどのくらい相談支援事業所があるかと言えば、全体では30箇所以上ありますが、児童の相談支援を受けてくれるところは限られます。

 中には重度障害のみや未就学児のみ受けるというところもあり、利用するにしても狭き門です。

 私達も探すのには苦労しました。

 なぜ少ないかと言えば、児童期の支援は専門的な知識やスキルが特に求められ、成長にあたり大事な時期でもあるので、サービス支援機関と対等な知識で話が出来たり、理解ができないと相談支援専門員としている意味がありません。

 そのため受け手も少ないようです。

 また板橋区は他区に比べ、訪問介護事業所つまりヘルパー事業所が相談支援事業所としてやっているところが多く見られる印象です。

 では他の区はどうかといえば、区でばらつきがあり、見た感じでは世田谷区や江戸川区が多いようです。

 児童を受けてくれるところはやはり他区でも少なく、今私は相談支援専門員資格取得の為の研修を受けに行っていますが、毎年800名も受けてるのに実際に業務に就く人は2割だそうです(¯―¯٥)

 これでは受けてくれる事業所が少ないのも仕方がないですね。

 受けてくれる事業所がない場合は、セルフプランでスタートさせ、後で相談支援事業所を見つける手段もあります。

 板橋区は受給者証申請を受ける、お住まいの地域エリアの福祉事務所によって、相談支援が絶対いないとダメだという福祉事務所もあれば、セルフプランでいいよと言う福祉事務所もあり、区内でも見解が異なった対応をするのは課題と言えます。

 相談支援専門員に何が求められるかと言えば、豊富な知識と客観的な視点、連絡調整だけでなく、交渉役としての交渉力が大事かと思います。

 子供たちはいつか親元を離れます。そのためには幼少期からの情報や支援を次のステージにつないでくれる人、知識が少なかったり、親としての思い入れが強すぎて、視野が狭くなってしまうときにアドバイスをしてくれる人がいたら、親として嬉しいと思いませんか?

 相談支援専門員は本人に対しての支援ですので、保護者がいても主役は本人。
 
 そんな本人を見てアドバイスや交渉をしてくれたり、相談先が少ない親を励ましてくれる人がいたら、子供たちの将来にとって、こんなに安心することはありません。

 すぐに良い相談支援専門員に巡り会えるとは限りませんが、子供の将来を考えたら、今からネットワークを張り巡らせて、良い相談支援専門員が見つかるように行動を起こしておくことはとても大事です。

 皆さんのお子さんの将来に役立つような相談支援専門員の情報も、この勉強会で引き続き発信していきたいと思っています(^o^)

テーマ
「この子達が大人になるに向けての支援や選択肢」
〜将来から逆算して、今の支援を考える〜

 板橋区熊野地域センターにて、第1回目目の勉強会を開催しました。

 運営の仕方も含め手探りでしたが、参加者4名、お子さん3名(うちの子含む)にお越しいただきました。

 勉強会では、初めに発達障害を持つお子さんが、幼稚園、保育園や学校を経て、成人、働くまでにどのような支援があるのかを一覧にしました。

 皆さんご存知の支援や聞いたことのない支援もたくさん含まれていて、今後それぞれの支援の詳細は勉強会にて詳しくお伝えしたいと思っています。

 勉強会の中では特に相談支専門員に注目が集まりました。

 利用している方、していない方それぞれですが、まず地域に受け手となる相談支援専門員が少ないようです。

 また区内でも地域によって必ず相談支援専門員をつけるよう区から言われた方もいれば、セルフプランでいいですよと言われる方もいて、区としての対応もバラツキがある事が親御さん同士の情報で明らかになりました。

 相談支援専門員については、来月資格取得のための研修を受ける事もあって、次回勉強会のメインテーマにしようと思っています。

 現在利用している支援として、児童発達支援事業所や放課後等デイサービス、小茂根の療育センターを利用されている他、家庭教師を利用されている方もいるなど、制度以外の支援の活用もあるんだなと情報交換できました。

 その頃勉強会中のお子さん達は、3人とも仲良く楽しそうに遊んでいました(^o^)

 ただ2時間はさすがに飽きちゃうようで、ママやパパにかまってほしくて、遊びに来てたりしてました(笑)

 保育者1名では飽きた時間は見きれなくなり、パパママで来てくれた参加者のママが手伝ってくれました(^^)

 これも保育付きの勉強会をやってみて見えてきた事で、今後はお子さんを見てくれる保育ボラの確保も課題です。

 とはいえ、お子さんが遊ぶ様子を見ながらの勉強会は、スペースも広く、音を出しても大丈夫なので、思いの他良かったなと感じました(^o^)

 まだまだ課題はありますが、今回ご参加頂いた方、今回お越しになれなかった方も、どんなことをしてるのかと興味のある方、次回勉強会のご参加お待ちしております
\(^o^)/